おとなの時間
 シリーズ…フラワーコミックス
 著者…山田こもも
 出版社…小学館
 巻数…全7巻
 発売年…2005年
 掲載誌…Cheese!
 参考リンク…小学館コミック




■ ストーリー ■
 いつもみたいに告白され、いつもみたいにフラれた日。そんな立花蜜香を励ましてくれたのが、蜜香の通う高校の化学教師・加賀伶だった。意地悪でウソつきで、でも本当は優しいのかもしれない加賀先生をどんどん好きになっていく蜜香。だけど、教師と生徒、先生を好きになればなるほど苦しくなっていく…


■ 総評 ■  ★★★☆☆

 さすがCheese!連載というべきか、予想以上にエロかった… 性描写のシーンがけっこう出てきて、これを10代の若者が読んでいいものなのだろうか。
 テンポはいいし、作品全体の出来も悪くはないのだけど、意味もなく性的シーンが出てきて作者の自己満足でやっているのではないかと思うところもあり、作品の質の低下、価値を下げてしまっている印象を持ちました。
 先生に大人のガマン(理性)、教師としての自覚がなさすぎて蜜香に手をだしているのが読んでいてあまり気持ちの良いものではなく、もう勝手にやってくれって感じ。おとなの時間というよりは、勝手なおとなの時間だよ。

 作品全体としては良い意味でも悪い意味でも物語にひねりなし、新鮮さもないけれど、先生生徒モノのすべての要素が詰まったストーリー展開でお手本のような作品なので、一度は読んでみるといいかと思います。絵柄はキレイです。先生はかっこいいし、蜜香は可愛くて、先生生徒モノの中でも美男美女なんじゃないかなと。



■ 登場人物 ■
 
立花蜜香
 高3。周りの女の子に比べ大人ぶっている。
 
加賀 伶
 化学教師。裏の顔は官能小説家。
 
木崎
 蜜香のクラスメイト。
 
 平井 恵
 加賀先生の元カノ。臨時講師。
 
カナ
 蜜香の友達。


※ここより下はネタバレとなっています。了承したうえでお読みください。


 1巻  2005年5月26日 発売

 [ 1st time ★ スキの前に ]

 第1回目なので、ヒロインと先生との馴れ初めなんだけど、相手の生徒に「自分は教師でお前は生徒だ。」という、先生によくあるセリフですが、この場合だと本当はすでにお互い好きという気持ちなのに先生が無理に突き放すけどガマンできなくて早くに恋に落ちるパターン。ヒロインはかわいいし、先生はカッコいいし、どうも典型的な少女漫画・先生生徒モノになりそうなヨカン。蜜香は先生のこと好きになってるのははっきり出てるし、先生も笑顔の蜜香にハッとなったり突然キスするなどすでに意識してるよね。

 加賀先生の裏の顔は小説家、しかも官能。先生が副業をやっているのというのも物語をさらに楽しくさせる設定のひとつですが、やはり官能小説を書いているということはエッチ系路線になるのか、先生にちょっと危険な香りがします。そういえばこの作品の掲載誌はCheese!だったということを思い出し、何もないわけがないよな。



 [ 2nd time ★ ずっとスキです ]

 先生への気持ちが抑えられなくて、でも相手は先生だから諦めないといけない…と葛藤する蜜香の気持ちが切ない回でした。
 「好き」と叫んじゃいけない人を好きになったらあきらめるしかないという蜜香ですが、先生生徒もの場合って難しいですよね。相手が先生だけであって、でも世間ではタブーで、でも好きなものはしょうがない、それが漫画。意外と早く先生が蜜香に好きだと告白してもう両想いに。でも、蜜香の気持ちは丁寧に描かれてたし、先生も蜜香のこと好きになってく表情とかちゃんとあって違和感はなかったです。

 それにしても、漫画に出てくる先生って不意打ちキスよくありますねー。加賀先生もテスト中に蜜香にキスしてきて、ヒロインからしてみれば先生のことわかんないのに、読者はやっぱり先生も相手のこと好きなんだろうなぁ〜っていろいろ想像膨らませます。



 [ 3rd time ★ もっとスキでもいいですか? ]

 先生と両想いになったと思ったけど、休みの間先生は連絡くれないし、自分には内緒でクラスの娘たちを部屋にあげてた。自分が先生の部屋を訪ねてもいれてくれなくて自分は彼女じゃないのかと不安になる。こういうのって恋する女の子なら一度はなる不安だろうし、気持ちわかるんだけど、読者としてこういう女の子を見るとちょっとうざい…かも。でも、先生が蜜香を部屋にあげないのって好きだからこそ。蜜香を帰す自信がなかったからと言っていますが、大人の男の部屋に入れば当然その後のことが待っているわけで、そんなことしたら先生だって歯止めが利かなくなる、だから理性を押さえてるんですねきっと。こういうのってよく先生にありますね。
 でも、蜜香が不安がる必要なんてなくて、先生は蜜香のことホントに好きで、でも自分は教師だから理性と闘って… のはずが、先生結局抑えられず蜜香を部屋に連れ込んで…×△○◆★…
 最近の先生ってキスはしてもその先はぐっと我慢が多いですが、こちらはその先まで進みました。うーん、やっぱりCheeseだな。



 2巻  2005年10月26日 発売

 [ 4th time ★ ヒ・ミ・ツ ]

 前回は両想いにもなっても蜜香がひとり不安がってるだけだし、まだ秘密の恋人っていう感じはなかったけど、ここでやっと内緒で会ってる二人のシーンが出てきて、禁断的な、先生生徒モノのドキドキ感が出てきたように思います。

 典型的な少女漫画のセオリー通りなら、ここでまずライバル一人目、ヒロインに好意を抱く男性出現。この漫画も例外ではなくここで新キャラ・木崎くん登場。先生と蜜香のこと知ってるみたいで、先生と生徒なんてうまくいくわけないと蜜香に迫ってきます。加賀先生の化学の授業中に蜜香にキスしたり、蜜香の忘れていったケータイに先生からの電話に出てしまうなど、本来のライバル役通りの動き。まだまだ彼は二人のことひっかきまわしてくれるかな。

 教師としては平静を装っていたけど、実は先生も不安でたまらなくて…という、こちらも実は先生も余裕がないというこの種の作品の典型的な先生タイプ。でもさぁ、いくら蜜香が誘ってきたからといって、授業を忘れて生徒と教室で×××してた…というのは、最初読んだ時はいくら漫画でもシャレにならんかった… 加賀先生、理性とか紳士とかはないのか。



 [ 5th time ★ 一緒にいたくて ]

 加賀先生ってカッコよくて女子生徒に人気があるから中には好きな子もいたりするわけで、先生のクラスの子が休みの日に部屋へ押し掛けたり、優しくしたりする。だけど、先生は自分を好きでいてくれるとわかっていながら他の女性に優しいのが嫌でヤキモチをやく蜜香。先生は生徒に平等でいなければならいないのは当然のことだし、生徒に恋愛感情を持って接することはよくないので、加賀先生の取ってることは当たり前なんだろうけど、でもひとりの男性としてでもあるわけだから、蜜香が不安がる気持ちはもっともだよね。先生・生徒モノの永遠のテーマです。

 蜜香と恋人同士になる前の加賀先生ってもっとクールで大人の人かと思ってたけど、蜜香と両想いになると蜜香にゾッコンだし、「でちゅね」とか赤ちゃん言葉が出てくるなど、キャラ変わりすぎじゃない?



 [ 6th time ★ スキなのに… ]

 先生と蜜香の密会現場が生徒の間の携帯に出回ってしまい大変なことに。蜜香の顔まではみえてなかったんだけど、先生はバレちゃって、しばらく蜜香と二人で会うのは控えることに。なんだけど、会えないのは辛くて、それを知ってて先生は蜜香に会いに来てくれて二人で頑張ろうと決める。前回、木崎が二人の現場を携帯カメラで抑え、その期待を裏切ることなくここでも予想通りの展開です。
 でも、木崎くんもここで引き下がるわけもなく、先生に別れろと迫る。今度は蜜香の顔もはっきり見える写真を送ろうかと脅しをかける。蜜香と先生があまりにもラブラブなので、木崎の存在は甘い砂糖を溶かしてくれるような、スパイスを加えてくれるような立場なので面白くなっています。



 3巻  2006年1月26日 発売

 [ 7th time ★ 先生のキモチ ]

 木崎から蜜香と別れてほしいと言われ苦悩する先生。蜜香を守るために別れるという苦渋の決断。突然蜜香を連れ出して旅行に行くからその後に別れが待っているんだろうなという予想通りの展開。旅行は最後の思い出作りだろうな。
 木崎くんからしてみればしめしめという感じで、陰で先生を嘲笑っているのが目に浮かぶよう。でも少女漫画ですから、最後の最後で大逆転がある…はず。

 それにしても先生ってば蜜香をぱじゃまのまま連れ出して、前回も授業忘れて蜜香と会ってたり、教師としての、というか大人としての自覚が足りないよ…



 [ 8th time ★ スキでいてもいいですか? ]

 先生と別れて落ち込む蜜香を励ます木崎くんだけど、全部彼が先生に脅したことだから、先生の悪口言ってる木崎が白々しくて腹立った… でも、自分が脅したと白状してくれたもんで単純な私はすっきりしました。(笑)

 先生はもちろん蜜香のことを本気で嫌いになったわけじゃないから、今はダメでも蜜香が卒業したらまた始めようって言ってくれて、でも蜜香は待てなくて、木崎くんのことなんか眼中になくて、彼があっさり身を引くことに。別れ際に蜜香のことうざい女とか言っていたけど、どうしたって蜜香は自分には振り向かないって察したのかな。これがライバル役の定めですね。



 [ 9th time ★ 初カノ ]

 生徒のライバルがいれば先生のライバルもいるというわけで、ライバルその2、加賀先生の元カノ・平井先生登場。しかも、同じ学校に臨時講師で、相手が忘れられないという、これまたお決まりパターン。案の定、早くも蜜香に敵対心か、自分が昔先生と付き合っていたようなことをそれとなく言ったりなど、行動も今の彼女に意地悪しそうな感じ。加賀先生は終わってるといったけど、相手の女性はまだ好きで、蜜香は不安になる。ありきたりだー。

 加賀先生は新居へお引っ越し。もちろん蜜香と一緒にいられるように。前回生徒と付き合っているのかないのかで問題になったこともあって他の生徒にはヒミツで、蜜香だけが知ってる。先生のプライベートの方も、蜜香と二人きりになれる=物語を進行させるのに好都合の展開です。



 [ 10th time ★ 先生のウソ ]

 先生は大丈夫だっていっても、やはり二人きりのところをみると不安になる蜜香。でも、先生はちゃんと蜜香のことだけを見ててくれる。学校では試験が近くなって準備室に生徒は入れない、そこに平井先生と二人。こういうとき、先生と付き合ってる生徒はつらいよね。

 なんと、先生の部屋にピアスが!先生は蜜香以外部屋にあげてないって言ったけど、あれは間違いなく平井先生のものでしょ。前回のラストで加賀先生のマンション行って(玄関先だけど。)るし。蜜香は平井先生のピアスだってその後知るので、先生がウソをついてるってことになるんだろうけど、加賀先生、なんでウソついちゃったのかな。蜜香を傷つけたくなかったのか。でも、もしそれがそうなら、やましいことがなければちゃんと言ってあげた方がいいのになぁ。


 4巻  2006年5月26日 発売

 [ 11th time ★ 先生のコタエ ]

 ピアスはやっぱり先生の元カノのもので、先生は蜜香が気にしたり悩んだりしないようにって思ってるみたいだけど、ごまかされる方がよっぽど悩むよね。
 でも、蜜香が心配するようなことはなく、先生は蜜香のことだけを考えてくれてる。たくさんの愛情をくれる。だけど蜜香は先生の愛に確信がもてなくて信じられなくなる。両想いの先生生徒もので必ずヒロインが陥る不安ですね。

 先生の気持ちを確認して蜜香が元気になったらいつものラブラブの二人。先生の元カノの前でも平気でイチャイチャ。いろいろな騒動がありますが、このカップルは基本的にラブラブぶりを見守ってる感じなので、平和な様子を見てるとホッとします。蜜香が先生から合鍵を貰ってましたが、少女漫画には欠かせないアイテム。これがあることで特別って感じがするんですよね。



 [ 12th time ★ もっと…もっと… ]

 3年といえば進路。高校3年の蜜香もそろそろ進路を真面目に考える時。ていうか、高3になってまだ自覚してないのって遅いよね… 先生と付き合ってることで成績が下がってしまい、自分のことで進路に失敗してほしくないからと先生はしばらく蜜香と距離を置くことに。出たよこのパターン。高3のヒロインが恋人のことで頭の中がいっぱいとか、卒業したら相手と結婚することしか考えてないとか。そんで相手の男性が女の子に対して進路を真面目に考えるようにと突き放すような流れ。これもね典型的な少女漫画によくあるヒロインの試練。当然のことだし大事なんだけど、あんまり好きじゃないですこういうの。あたりまえすぎて、ヒロインの自己中心的さに腹が立ちます。

 そんな矢先、ふと生理が遅れてることに気付いた蜜香。もしや…というところですが、意外と先生が冷静でした。もしも子供ができていたらその覚悟はできてる。蜜香と一緒に歩む未来を考えてた。なんだか私の中で加賀先生の株があがりました。未婚の状態で妊娠が発覚するとなおさら情緒不安定になりやすいので、加賀先生のようにかっこよくどんと構えてくれると安心です。



 [ 13th time ★ ふたりの未来 ]

 蜜香は妊娠してなくてひと安心。だけど、子供ができてもなくても蜜香との未来は取り消すつもりはないと、本気で考えてるよう。しかも指輪まで用意してあるし、親に挨拶に行きたいとかも。加賀先生がそこまで蜜香のこと考えたなんて思ってませんでした。意外と先生の方が蜜香に惚れてるのかな。
 ですが、プロポーズで蜜香を安心させるつもりがかえって悩ますことになってしまったよう。高校生で、しかも付き合って間もない彼から結婚とかの話をされるとうれしいけど戸惑いもある。高校生に結婚とか合鍵とか指輪の意味って重たいですね。


 5巻  2006年8月25日 発売

 [ 14th time ★ プロポーズ ]

 先生の真剣な想いに応えようとする蜜香。結婚前提ってことで交際、先生は蜜香の両親に挨拶にいく決心をするけど、蜜香が親に言いだせない… だけど、報告する方が恥ずかしいのはわかるけど、あいさつにいく男性の方がもっと緊張するという、蜜香の気持ちや加賀先生の気持ちがリアルに表現され、なかなかよく出来た回。相手の家に挨拶に行くというのは男性にとって人生経験の中でも5本指に入るくらいの試練じゃないかな〜と思います。

 そしたら、家の前で先生といるところをみられ、蜜香の両親にバレてしまいます。案の定、先生という立場であるため親は反対しますが、先生が蜜香の両親に頭を下げ、帰れといわれても食い下がって、なんとかお母さんには認めてもらえたよう。先生、男らしかったです。加賀先生って教師でありながらすぐ蜜香に手を出したりするので節操無い人だなと思いながら読んでるけど、いざとなるとけっこうカッコよくてステキなところもあるんだな。



 [ 15th time ★ 特別な夏 ]

 先生との結婚を決心すればその先も考える。先生のひとりくらしの様子を見て、ご飯を作ってあげたり他の家事をしてあげたくなる。でも蜜香は受験生。進路のことを真面目に考えなければならない時。プロポーズされ大学の進学を辞めて先生と結婚することを考える。なんか同じようなヒロインが他にもいたような… 典型的なヒロインの思考です。
 相手の男性も、自分と結婚したことでその先後悔してほしくないとか、自分のことは構わないでやりたいことをやれという、こちらもよくあるタイプ。
 こうやってヒロインが卒業後の道に悩むのも先生生徒モノだなと感じる場面のひとつです。永久就職先が公務員というのは安心かもしれないですね。(笑)



 [ 16th time ★ ふたり暮らし ]

 ついに同棲まで来ましたかー。蜜香のお父さんの海外勤務にお母さんがついていくことになって、先生の部屋で一緒に住むことに。(先生、蜜香の家でご飯をご馳走してもらえる仲になってる。しかも、お母さんはすっかり二人を応援してるじゃないの。) 都合よく話が進みすぎじゃないのー。(笑)
 先生、蜜香の両親に自分が責任取ると言ったくせに、すぐに蜜香としちゃうのってどーなのよ?責任というのは大人の立場として監視する役割も当然あるわけなのに。でも、正直なところ、男女が同じ屋根の下…理性を保てという方が無理なのかもしれない… この漫画、先生に理性とかそういうのが無いのでもう何でもいいでしょ。(笑)

 二人暮らしは始めたけれど、やっぱりそれが蜜香の勉強に影響が出てしまって、先生は蜜香に勉強に集中してもらおうとなるべく二人にならないように…と気をつかいます。だけど、蜜香は受験勉強よりも先生の世話。女の子が好きな人に尽くすのは可愛いけど、蜜香の先生を中心に考えすぎるところがちょっとイヤです。
 でも、先生を好きになったことで、母親が夫と一緒に海外勤務について行きたい気持ちを察し、ワガママ言わず理解を示すのは大人になっているんだなと思うところです。そんなところはかわいいですね。



 [ 17th time ★ 初恋の人 ]

 先生がなかなか帰ってこなかったり学校で裏稼業をやってることに自分は邪魔かもしれないと感じてる蜜香だけど、先生は勉強に集中してほしいだけで… 蜜香ってば先生と暮らし始めたことで学業に支障が出たり、浮ついた様子で大丈夫なのかと心配です。

 蜜香のかつての幼なじみ、コウちゃんこと高村晃司。蜜香の初恋の人の登場です。10年ぶりの再会に最初は喜んでいたけど、今と昔では状況が違うわけで、蜜香には加賀先生という好きな人がいる。だけどコウちゃんに突然キスされたこととか先生にウソをついて会っていることに動揺。先生は蜜香のことが心配だと言っていたけど、男女間の心配事といえば相手の男が狼になることですよね。蜜香の軽い気持ちが思わぬ方向に進まなければいいのですが…


 6巻  2006年12月21日 発売

 [ 18th time ★ 蜜香の秘密 ]

 先生に黙って幼なじみのコウちゃんと会ったことに後ろめたさを感じる蜜香。だけど、先生は蜜香の様子が変なことに気付いていたし、蜜香が正直に話しても怒らずいてくれた。加賀先生って意外といい男なのかもしれない…とちょっと思ってみたり。でも、きっとどこかで感情を抑えているだけなのかも。

 もう先生を裏切ることはしたくないと決めた蜜香だったけど、学校の文化祭にコウちゃんがやってきて、蜜香を連れ出します。蜜香が知ってるコウちゃんは優しくてかっこよくて、人を好きになることを教えてくれた人。だけど、今のコウちゃんは別人のようになり、優しさがなくてちょっと怖い感じ。初恋の人が昔と全然違う雰囲気になっていたってこと漫画にはよくありますね。



 [ 19th time ★ 先生とふたり ]

 予想通り、コウちゃんがケダモノになったー!少女漫画って男性の方が幼いころの初恋の相手を思ってたりするパターンで、女性の方が大人になって好きな人ができるんですよね。ここのサイトで扱ってる作品でも、近キョリ恋愛の枢木ゆにと小南あずさや、花嫁さまは16歳の鳳珠姫と宗像天理なんかもそうです。
 しかもケダモノになったコウちゃん、蜜香と付き合っていることを知った加賀先生を脅かすような発言をして本当に怖くなってる…嫉妬に狂うと恐ろしい…

 先生は無事に蜜香を助け出したと思ったら怒ってるように見えたけど、実はすっごい焦っていて心配して、蜜香とやっと二人きりになったら嫉妬で狂って蜜香を犯して… これまた生々しい描写でした。これをティーンズに読ませるのってどうなのかと思います。



 [ 20th time ★ 蜜香のバースデイ ]

 おいおい、いきなり露骨な性描写からのシーンはないだろうに… といっても本題とは関係なくて、今回は蜜香の誕生日の話。誕生日に蜜香の両親が海外から一時帰国することになって、本当は先生と二人でお祝いしたと思う蜜香。だけど、娘といられる時間は少ないからと蜜香の両親が先生にお願いしたことでした。でも、お母さんは基本的に先生応援側なので、最後には先生もやっぱり一緒にという結末。
 先生と暮らし始めてひと月くらい。うっかり蜜香ってば先生の服を着て近所のコンビニ入ったことが学校中の噂になってしまいます。三者面談でそのことについて確認があったけど、お母さんの協力もあってピンチも乗り切りましたが、先生とラブラブということはその分リスクも高いわけで軽はずみな行動はできない。もっと気をつけないと二人の関係、いつかバレますって。



 [ 21th time ★ 初めてのクリスマス ]

 二人で迎えるはじめてのクリスマス。だけど、先生は大学の先輩の結婚式に出席することになったため、蜜香と過ごすことはできないという。当然蜜香は不満… でもダダをこねても仕方なく。だけど、先生は蜜香が寂しがってるの知ってて、早く帰ってこようとしてくれる。結局蜜香のワガママを先生が聞いてあげるという。先生疲れます。
 女の子ってイベントとか記念日すごく大事にしますよね。気持ちはわかるんだけど、客観的に、第三者の目で見ると、どうして女の子ってクリスマスにこだわるんだろうって思う。相手に用事があると怒ったりワガママ言って相手を困らせる。ちょっとウザいくらいにね。(笑) でも、それが恋する女の子なんだろうなぁ。


 7巻  2007年4月26日 発売

 [ 22nd time ★ 先生と初詣で ]

 年末年始、蜜香は先生の地元へ一緒に帰省。今度は先生の家族・親戚と会うことに。ここで何かあるかなと思ったら、生徒に少しびっくりした様子はあったけどとくに反対されるわけでもなく二人の交際があっさり認められることになってちょっとつまんないかも… まぁ、これが最後の巻数なのでそこに時間を費やす必要もないか。
 怖ろしいことに、先生の家系は全員教師。すげー!そういえば前に先生が家族全員教師やってるって蜜香に家族の話をするときに言ってたな。
 先生の姉の子供・翔くんが可愛い!先生にそっくりだよ。先生の幼いころも翔くんに似てかわいかったんだろうなぁ。

 幸せいっぱいで後にする二人だけど、帰りの電車で、なんと蜜香の担任・佐藤先生(夫妻)と遭遇!先生、顔面蒼白。そりゃそうです。二人の関係がバレるところまでくると、物語はいよいよ佳境です。



 [ 23rd time ★ 一番大切な人 ]

 佐藤先生に蜜香といるところを見られてしまい不安でたまらない先生。(蜜香は眠っていたので知らない。) でも、自ら佐藤先生に蜜香と付き合ってることをはっきり言うなんて男らしいじゃないの。今までの行動をみてるといざとなった時の加賀先生はかっこ良いですね。
 卒業式まで辞表を預かってくれなんて、佐藤先生が報告してもしなくても、学校辞める覚悟なんだろうけど、加賀先生の教師生命を佐藤先生が握るなんて、最後のキーパソンは意外な人物でした。



 [ 24th time ★ 私の最高の先生 ]

 なんとか蜜香の大学受験も受かってひと安心。これで全滅だったら加賀先生の責任も大きいよね…受かって学校に報告に来た時に、佐藤先生をはさんで加賀先生に言ってしまうなんて、あれはうっかりでしょ。担任は佐藤先生なんだし。加賀先生は隣りのクラスだから佐藤先生の横の机なんだよね。

 佐藤先生に二人の関係がバレていることをようやく知った蜜香。先生、やっぱり卒業式が終わったら教師辞めちゃうみたいで、自分は蜜香の前では教師のふりをしていただけでただの男だったと言っていたけど、本当にその通りだったと思います。(笑) 教師としての自覚がなさすぎでした。でも、蜜香にとって加賀先生は自分を励ましてくれた人だし、愛することを知ったり、タイトル通り最高の先生です。



 [ 25th time ★ 本当の幸せ ]

 やっぱりこういう時に頼りになるのはお母さんですねー。佐藤先生が加賀先生とのことについて蜜香の家に電話した時、二人のことを応援してくれているような話で、その言葉がとても暖かったです。佐藤先生にも実は娘がいて、娘を持つ親として気持ちはわかるからということで、加賀先生の持ってる辞表を返す、つまり二人のことは見逃してくれることに。佐藤先生、ありがとうございます。ってなんで私がお礼言うんんだろう。(笑)

 でも、本当のみどころはここからで、せっかく佐藤先生が目をつむってくれたのに、うっかりしたことがちょっと職員室で話しただけなのに他の先生に聞かれ辞表も見つかってしまい、加賀先生本当の意味でピンチ。一緒に呼ばれた佐藤先生は秘密を守ってくれた。なのに、生徒の名前を黙ったまま、加賀先生の辞表は受理… 蜜香の卒業式にも出られず… せっかくここまで来たのに、加賀先生が蜜香の卒業式に出られない展開はちょっと悲しかったな。

 教師としてではなく、蜜香の恋人として学校に現れた先生。思わず先生のところに駆けつけてしまい、相手がバレてしまいましたが、二人の幸せが訪れたハッピーエンディングにふさわしいラストだったと思います。

 蜜香って3年2組だったんだよね。私も3年2組でした。(←だれも聞いてない。笑) 必ず2組で卒業式迎えてたよ。小学校も6年2組、中学も3年2組、高校も3年2組。
 私の2組歴すごいですよ。小学校は6年間ずっと2組!中学は1年だけ1組で2・3年2組。持ちあがりじゃないのに。高校は1年だけ4組で2・3年2組でした。(そんなこと自慢してどーする。)