[ Story 1 ]
ヒロインは恋愛初心者の日南來可(ゆきか)。大人しそうな子だけどけっこうカワイイ女の子です。來可が恋をした相手は学校の数学教師・大石廉司。この教師がかなりの美男子で、女生徒からモテモテという、恋愛初心者×モテモテ美形教師という先生生徒モノのいちばん王道なカップリングです。
冒頭はすでに來可が先生のことを好きでいるところから始まり、好きになったきっかけが回想で説明されています。大石先生、学校では真面目でメガネをかけていますが、学校の外に出れば眼鏡なしで、しかも遊んでいるような感じで、今時の男性。來可はそんな姿を偶然街で見かけた先生に好意を抱くようになった…という流れになります。
それ以来、來可は先生への気持ちがどんどん高まっていく。來可の一方的な片想いだと思ったら、実は先生の方も來可が他の周りの生徒とは違った真面目さに惹かれ目で追うようになっていた、という來可に興味を持っていて実は両想いなのでした。
先生と來可が二人きりになった教室で來可がわざと先生にキスしてしまいましたが、先生ガマンしていた理性の糸がプチっと切れて彼女を抱きしめてしまい、それは思わせぶりとか魔がさしたとかじゃなくて本心だったようで、‘言葉には出さないけれど態度に出てしまう’小学館の作品によく出てくる先生タイプですね。
大石先生、学校でも大人気で女子生徒が追いかけまわしてますが、そんな時に來可一人の教室に職員室じゃ落ち着かなくて…とやってきたのは女子生徒から逃れる意味もあったのでしょうか。かえって一人の方が危ない気もするけれど、職員室じゃすぐ見つかっちゃいますもんね。そんな時、來可がとっさに先生と隠れてしまったのは、先生を女子生徒から守ったこともあると思うけど、自分が先生を好きだから他の女子生徒には見つかってほしくないという思いもあったのかもしれませんね。この出来事が先生と來可の恋を大きく動かすことになったのでしょう。
それにしても、大石先生ホント容姿が半端ないくらいハンサムだわ…
[ Story 2 ]
大石先生と恋人同士になって、恋する気持ちは止められない、そんな來可の心が覗けた回でした。いつも通りのことなのに先生と挨拶しようとして動揺したり、先生に触れられてドキドキしたりして顔を真っ赤にする來可のいっぱいいっぱいなところがカワイイです。
動揺しちゃってる來可を見て学校では手は出せないとか言っておきながら、來可を呼び出して隠れてキスしたりだとか、先生しっかりやっちゃってますよ。用事もないのに放送で來可を呼び出して「一度やってみたかったんだよねー。」とか、教師の特権とか言って、先生すっかりこの状況を楽しんじゃってます。そのくらいの方が気持ちいいのかもしれないけれど、度が過ぎて今に職権濫用とかにならなければいいですけどね… こんな先生他にもいたな。
高校生となれば友達と恋バナしたり青春したり。來可もやっとそんなことができる。來可の友達・咲姫(さき)ちゃんは、彼女とは正反対の性格で恋愛経験が豊富。來可いわく「恋愛マスター」。実は先生を狙っていたのだけど、先生に彼女がいると知ってあきらめて、わずか数週間で新しい彼氏。來可は咲姫に彼氏ができたこと報告しようとするけれど、一度は咲姫も好きだった相手、しかも相手は教師でそう簡単にうまくいくのだろうか…と読んでいて心配に。
そうしたら、咲姫はやっぱり先生のことあきらめてなくて、自分に振り向いてもらおうとわざと彼氏の前でキスしたりする。そんで先生に無理やりキスして、2番目でもいいからって迫る。その一部始終を間が悪いことに來可が見てしまい、嫌がる気持ちは当然。でも先生ってば、
「オレは彼女しかいらないんだ」
なんてカッコイイ台詞なの!こんな言葉、世の女性たちは言われてみたいものですよね。学校で簡単に手を出しちゃうところをみると節操無い人だなとか思っちゃうんだけど、彼女やその人を傷つけない、自分には彼女しかいらないという先生って実は恋愛の方もちゃんとしてるのかなってちょっと見直したり。
自分しかいらないと言ってくれて先生に來可は嬉しくて、二人が気持ちを確かめ合ってるところを偶然にも咲姫が見てしまい…というところで次回へ続きます。当然咲姫の表情は次回の來可が危なくなりそうな表情をしており、なんとなく先が見えそうですが…
[ Last Story ]
予想通りやっぱり來可は咲姫にハメられましたねー。合コンに無理やり誘われて、相手の男に強引に連れて行かれそうになって、そこで間一髪先生が助けに現れて助かる…というありきたりな展開に。
この話ではすでに咲姫が來可と先生が付き合っていることに気付いている、というのも読者もわかってうえで読んでいるので、幸せいっぱいの來可に対して時折見られる咲姫の怖い表情というのは見ていて冷や冷やします。來可を合コンでハメるというのは、他の男が現れた時点がで察しがつきますが。
でも、その後、來可と先生が二人でいるところを今度は写真に収めて來可を詰るあたりは女の本性がついに出たという感じで怖ろしいものです。幸せになっている來可に嫉妬して、自分のことは笑っていたんだと思ってもないようなことを口にして來可を傷つける。
プチ修羅場な感じでしたが、やがて來可がケガしてるところを見た咲姫は來可のケガの心配をして、そこから一気に友情モード。間で何かもめ事があっても、親友に何かあれば今までのことなんか忘れて心配してくれる。ケンカしても最後には友情が勝つ、というのも少女漫画にみられる光景です。
來可も咲姫のことで悩んでた。同じ人を好きになって、それは咲姫の方が最初で。でも、自分を大切に想ってくれる先生を手放すことはできない。もめたけど最後には「おめでとう。」って言われて、やっぱり親友なんだなぁって。これがうわべだけの付き合いのような友人だったら絶対にこじれた関係になってしまいますよね。
最後には和解した來可と咲姫。それを見届けていた大石先生。自分と付き合うことで來可には辛い思いさせてしまうことがあるから、その時は支えてやってほしいと、先生は來可を大切にしていますね。咲姫は自分の恋じゃないからイヤだとか言っているけど、それはきっと冗談。ラストはその先の明るい未来を暗示させる気持ちの良いものでした。
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