キスよりも早く
 シリーズ…花とゆめコミックス
 著者…田中メカ
 出版社…白泉社
 巻数…既刊8巻
 コミックス発売…2007年〜
 ★現在LaLaにて大ヒット連載中!
 参考リンク…s-book.net Library Service




■ ストーリー ■
 両親を事故で亡くし、親戚中をたらい回しにされ家出した高校生の梶文乃は4歳の弟を抱えて路頭に迷っていた。そんな時、担任の尾白一馬に拾われる。「同情するなら結婚して」という売り言葉に買い言葉で二人はそのまま結婚。秘密の結婚生活をスタートさせるのであった…


■ 総評 ■  ★★★★☆

このマンガ、とにかく甘いです。
はずかしくなるくらい甘い!
先生のキャラは面白いし、ツンデレのブンちゃんはかわいいし、弟の鉄兵もカワイイ!龍先生もいいやつだし。
キャラクターみんな魅力的なんですよ。

タイトルにもあるようにキスよりも早く結婚してしまった二人の物語ですが、いつでも一線を越えてもおかしくない関係でありながら、なかなかキスもしない…というキスまだ感が魅力のこの漫画。一体いつになったら二人はキスすのでしょうか…

1巻ずつの感想が読みたい人はスクロールして下へどうぞ。



■ 登場人物 ■
 
梶 文乃
 …高校2年生。(初登場時) 乱暴者のレッテルを貼られているがキスもまだの純潔乙女。
 
尾白一馬
 …文乃の担任教師であり夫でもある。元ヤンキーで「地獄のまーくん」という異名を持つ。
 
梶 鉄兵
 …文乃の弟。4歳。保育園児。しっかり者。
 
進藤 龍
 …一馬の親友であり、アパートも隣室。保育士。元ホスト。
 
黒沢 健
 …文乃のクラスメイト。文乃のことが好き。
 
尾白翔馬
 …一馬の弟。異父兄弟。ブラコン。


※ここより下はネタバレとなっています。了承したうえでお読みください。


 1巻  2007年7月5日 発売

 [ love.0 ]

 まずね、「あたしと結婚して養ってくれんの?」「あ〜、してやるよ!」とかありえーん(笑) まぁ、漫画の世界ですので全然いいんだけど。むしろ結婚の経緯を簡単に説明してて面白かったし。ただ、先生は同情じゃないみたいで「君のこと助けたかった」って新任の時からずっと文乃のこと気にかけたようだけど、その時から結婚してやるよと発言したときまでの間の期間での先生の気持ちがもう少し説明があったらいいなと思います。
 でも、婚姻届書いて法的手続きしてるみたいなんでちゃんと夫婦なんですよね。だからブンちゃのこと好きだと思うんだけど、私的には結婚する前の文乃への尾白先生の気持ちが描かれたら嬉しいなぁ〜と。メカ先生描いてくれないかなぁ〜。

 学校で先生方が文乃のことを「最近丸くなった。いところにひきとられたかな。」と言っていたけど、それって文乃にとって居心地のいい場所を見つけたってとこだよね。あんまり目立たないけど、なぜか印象に残るセリフでした。
 先生のありったけの愛情はやはり文乃の心を動かしているんだけど、文乃はだからこそ先生に迷惑かけたくなくて家を出ちゃうわけですが、そこで大活躍の鉄兵くん。先生からもらったあめ玉を落としていくなんて策士ですね。このあめ玉のおかげで尾白先生は二人を見つけることができたわけです。ブンちゃが本当は先生が好きだってこと、まーくんはきっと迎えに来てくれると信じていたんだろうな。

 まーくんの過去がちらっとでてきましたけど、すっごい悪そうでしたよ。総長まーくん。そんなまーくんがなんで教師になったんでしょうかね。気になるところです。

 短いストーリーの中でまーくんってけっこう名セリフ?みたいなのを残してますね。ということでまーくん語録なるものを綴っていこうかなと。

 「僕にとってのごほうびは君の笑顔です。」
 文乃が親戚の家でたらい回しにあって、そのたびに悲しい顔をしていたのを先生は知っていた。尾白先生はきっと文乃の笑顔をずっと見ていたいんだろうな。ブンちゃんって笑うとカワイイもんね。あっ、もしかして先生はあの文乃の笑顔にやられしまったのか?

 「教師の仕事も君の笑顔も両方獲る。」
 かっこいいです〜。先生。でも、教師が生徒に手を出すのは一応犯罪なんですね…。もし学校にばれるようなことになっても絶対に文乃ちゃんを守ってあげてください。まさか地獄のまーくんで解決するとは思いませんが。
 そういえばすでに先生が女子生徒と付き合ってるんじゃないかって噂になってましたが、尾白先生は「付き合ってはいません」とうまくかわしました。はい、たしかに「付き合ってはない」ですね。手順飛ばして結婚しちゃいましたから。(笑)



 [ love.1 ]

 今回はブンちゃの複雑な?女ゴコロが垣間見れたお話でした。まーくんがなかなか手を出してこないので先生好みの女性に近づこうと努力するわけですが、それでもまーくん乗ってきません。しかも「ニセ胸」が落ちてたらしくて結局ばれちゃいました。龍先生の仕業だってことにも気づいてる。ていうか、ブンちゃんも言ってたけど、龍先生はどうして女性モノの衣類なんかを持っているんだろうか… 彼女がいるのか?
 一緒に寝ようと言っても川の字だし。(笑) 川の字のシーンはどちらかといえば感動系だと思うのですが、川の字シーンで笑ったのはたぶんはじめてです。 先生、どんだけいじわるなんだか。意図的にやってるのがバレバレだから余計にまーくんのドSにも拍車がかかるんだろうなぁ。
 「いつでも奪えるんだったら、ギリギリまでじらすのもまた楽しいね♪」
 まーくん、とことんドS!!

 川の字のふとんの中で「悪い子だったから(親と)絶縁されちゃいました。」という、またひとつまーくんの素性が明かされましたが、なんとまーくんは
敵対する暴走族100人とタイマンはって無傷で帰って来た「地獄のまーくん」
と呼ばれていた!! どひゃ〜!!(驚) まーくんってそんなにすごかったのか。
揺すられてる文乃を助けたときの顔すごかったもんね。
地獄のまーくん降臨〜! 「バラレたら地獄へ送るからな」怖ぇ〜!!
まーくんの素性暴くだけでも面白い物語が描けそうね♪



 [ love.2 ]

 まーくんの過去、昔ヤンキーだったこと、地獄のまーくんという名で馳せていたこと、悪いことやっていたことを恥じ、自分と関わりを持ったことで文乃に万が一の危険を恐れて絶対に話したがらない一馬。総長にまでなった彼がよくもそこまで更生したもんだな。
 火熊組の若旦那・烈の登場。舎弟が文乃を襲ったことで詫びを入れてプリンやらドーナッツやら品をいろいろ持ってくるが、本当はいい人なんじゃないかって思えてしまいます。グラサンすると強面だけど、笑った顔が爽やか。


 2巻  2007年12月5日 発売

 [ love.3 ]

 新キャラクターが登場しました。クラスメイトでバレー部員の黒沢くん。文乃の体がボロボロになるまで毎日スパルタ指導。文乃はただ球技大会のために自分に指導してくれている親切な人というぐらいの認識なんだろうけど、先生は気が気じゃないはず。もちろん先生として生徒の体の具合を心配しているというのもあるんだろうけど、それ以上に男として文乃のことが心配なんだろうと思います。だってね、いくらクラスメイトとはいえ黒沢くんだって男ですから、大切な文乃ちゃんが他の男の人に密着されたり、傷つけられたりするのは不愉快ですよね。マンツーマン指導を見ている時の表情や文乃と黒沢のハグの間に割って入るなど、大人気もなく嫉妬心あらわにしちゃってます。
 結局球技大会試合中、熱が出て文乃は先生からストップがかかって保健室に担ぎ込まれるんだけど、こっから先は文乃と先生だけの世界なので、文乃の夫化していく先生。
 「黒沢くんと一緒にいてできた傷は残ってほしくない。生徒とは言え他の男につけられた傷なんて全部…」
 消毒…と文乃の腕にキスしちゃって、まーくんもやっぱり男の大人なんだな。

 保健室で逢引ってムードあってちょっとえっち。(笑) 秘密の関係の人たちが会う場所に保健室っていいのかな。ほかの作品にも保健室ってよく出てくるし。たしかに保健室って人あんまり来ないし、カーテンとかあって別空間があるからね。



 [ love.4 ]

 物語は臨海合宿編!! 文乃ちゃんたしかにスタイルいいけど、ホント胸がぺしゃんこ。水着だからそれがよくわかる。(笑) 合宿前の自宅で水着鑑賞会はやっぱり尾白先生から提案したものなんだろうか… 「他の男子生徒に見られる前に夫がすみずみまで見ておきます!」って、あたりまえだけどやっぱり先生も大人の男の人なんだなって。で、やっぱりちょっとえっち。(笑) 高校生にでもなれば体つきは大人ですから、いくら生徒とはいえ警戒していないと危ないです(?) 尾白先生ちょっとは威嚇しとかないと。まぁ、関係ばれたらやばいからそんなことできないんだけど。でも、合宿前に水着姿の文乃を独り占めできる尾白先生はおいしいね。 こんなこと書いてるあたしも変態か。(笑) ちょい恥ずかしい…(赤)

 先生との関係がバレないようにってことで、文乃と龍先生が親戚で一緒に暮らしてるという設定。一馬や龍は余裕でウソつき通そうとしてるんだけど、実はそんなに余裕がないまーくんおもしろいです。相手が龍先生でも焦っちゃうから。しかも24歳の男が4歳児に慰められてる… まーくんかわいそうに。でも、文乃のことを守るためだからやってるんだよね。まーくんかっこいいよ。
 一方の文乃ちゃんはウソが超苦手。パニック体質。自分は本当に先生が好きだからこそウソはつきたくない。正直な子でかわいいじゃないの!そんなブンちゃん私は好きだけどな。
 こういうの一番得意そうなのは龍先生ですね。ちゃんとすべてわかった上で物事割り切ってなんでもやりそうなイメージです。文乃にとっては不安なことだけど、龍先生なりに文乃や一馬のこと守ってくれるのがまたかっこいいです。

 ちなみに私は臨海合宿は一度も行ったことありません。小学生の時も中学生の時も高校生の時も専ら山でした。中学の時に泊まりの行事でカッター訓練をやったのは記憶にありますが、海が目的じゃなかったし。臨海合宿一度体験してみたかったな。



 [ love.5 ]

 臨海合宿後編です。前回、尾白先生が文乃ちゃんを襲ったところで終了。なんだけど、いざとなると文乃は意識しすぎてまともに先生の顔が見られない。キスならすでに腕とかにされてるけど、今回は状況が違うからね。それまでは穏やかな時だけど、今回まーくんは本気モードで冗談も通じないようなマジ顔。ちょっと強引に押し倒されて(首に)キスされてるので、そういうことに免疫のない文乃ちゃんは怯えてしまいました。先生、今までにないような鋭いまなざしで文乃を見てました。男の人というのはああいう状況になるとやはり理性が飛んでしまうのでしょうか。まーくん頑張れ。(何を?)

 でも、どんな状況の中でも文乃の危機には必ず助けてくれる先生。今回も鉄兵を助けようとして危ないところを先生が体を張って守ってくれました。しかも、指輪を無くして探し回ってた文乃のこととか辛い気持ちとかわかってあげて、優しく包み込んでくれる尾白先生ってやっぱり素敵です。☆

 合宿中迷惑掛けてまーくんに「帰ったら殴る」とか言われて怯えて真っ青の龍先生。この顔面白かったー! 後日、まーくん鉄拳制裁でボコられた龍先生の顔。あれじゃ、子供たち怖がって泣くよ〜。合宿してる海にやってきたこととか、鉄兵から目を離したこととか、合宿中のいろいろなことでまーくんから怒号の嵐だったんだろうな。地獄のまーくんが降臨するのは文乃の危機が迫ってる時か、龍先生をボコボコにするときぐらいだろうけど、まだまだ現役でケンカもできそうです。龍先生お大事に。



 [ love.6 ]

 臨海合宿で文乃と尾白先生が一緒にいるところを見てしまった黒沢くんが、二人の関係に疑惑を持ち始めました。文乃を担いで保健室に運んだり、溺れてるところを助けたり、文乃の様子を気にする先生に前から疑惑をもっていたようだけど、今回二人が抱き合ってるのを見てさらに黒沢くんの疑惑は深いものになりました。先生のこと挑発した黒沢くんですが、尾白先生はもちろんそんなことにはひっかかりません。今後、尾白先生VS黒沢くんのバトルって見てみたい気がします。

 今回は花火大会のエピソード。夏といったら花火ですね〜。ブンちゃんの浴衣姿かわいかったよ〜。「かわいくさせすぎ。どこの誰にあの姿をアピールさせんだよオラ。」ってまーくんのろけ。たしかに、ブンちゃんは一応尾白先生のものですから、まーくんの言ってること正しくはありますね。でも、龍先生かわいそうに。可愛くきつけただけなのにまーくんからパンチ食らわされて。ごくろうさま。

 ブンちゃんに大人みたいなこと言った先生だったけど、やっぱり先生だって文乃と一緒に見たくて連れ戻しに行ってしまいました。ただ、一緒にいるのはクラスメイトだからそのままいくわけにもいかずお面かぶって一応顔隠し。まーくん、まさかずっとブンちゃんの後つけてた??
 でも、あそこでブンちゃんのこと連れ去って正解だったと思います。あのままだったら黒沢くんに何されるかわかんないし、他の男の子も文乃の浴衣姿見てときめいてたので。文乃ちゃん、狙われるかもしれなかったね。
 自分を連れ戻しにきた先生に「未来のあたしなんかより今のあたしを見てよ」ってブンちゃんのセリフ、なんだかすごくわかる気がします。ブンちゃんの正直な気持ちだと思います。大人って勝手だよね。先生もそんな大人ぶらずにもっと文乃のことと考えあげてもいいのにね。あっ、でもそうしたらまーくん本気モードで止められなくなるかも?(笑) 



 [ love.7 ]

 今度はキャンプです!!いいですね〜。まーくんと龍先生って仲いいんだな。でも、これ一応ブンちゃんとまーくんの初デートという目的もあるわけで。冒頭からイチャコラしちゃってる二人で、なんだかこっちが恥ずかしいわい。ブンちゃんが怒って先生ぶっ飛ばしたりして夫婦漫才やってるような、いろんな意味でバカップルです。

 せっかくのデートで思い出作りのはずだったんだけど、バレー部の合宿と被るとは尾白先生うっかり。ずいぶん前から文乃と尾白先生の仲を疑っている黒沢くんが核心を突く質問をするんだけど、そこへ尾白先生が現れて、
 「彼女が好きなら僕から奪えばいいだけのこと。教師より生徒の方が有利だろ?」
と挑戦的な発言。でも、文乃を追いかけようとすると鋭いまなざしでけん制して、文乃を守ろうとする先生。
 
「絶対に離さない。誰にも奪われるつもりはない!」
 尾白先生、やっぱりそれが本音ですよね。かっこいいです。相手が生徒だろうが誰であろうが恋敵には容赦ないです。

 文乃に告白してあっさり玉砕してしまった黒沢くん。まさか尾白先生と結婚してるとは思わないよなー。ケンケンにはかわいそうな結果だけど、どんなに文乃を追いかけても無駄なんだな。しかもライバルが元ヤンキーだから、いざとなったらケガするかもよ。でも、あたし的には文乃をめぐった先生と黒沢くんの火花散ってるところもっと見たいよ。ガンバレくろさわ!



 3巻  2008年5月2日 発売

 [ love.8 ]

 今回は文化祭準備のお話を軸にしてチカン騒ぎや黒沢くんと気まずい文乃ちゃんが描かれてます。チカンに襲われたのはまた岡ちゃん… カツアゲされそうになったり、臨海合宿で絡まれたり、一体岡ちゃん何度被害にあってるんだろう。おかげで梶ラブ。今回も岡ちゃん助けた文乃ちゃん、かっこいい! しかも白雪姫の劇で文乃ちゃん王子様で岡ちゃんが白雪姫。ますます岡ちゃん梶ラブになりそう。

 文乃にかっこいいとこみせたい黒沢くんだけど、学校にチカンが現れてやっぱり最後には尾白先生に負けてしまいました。ケンケン、またしても残念… でも、黒沢くんもこれで引き下がるわけではなく、尾白先生に対抗意識。個人的には黒沢くんも好きなので、一度でいいから先生よりおいしいとこ決めてほしいな。

 先生は文乃ちゃんのこと心配してくれてるのに、文乃はそれはわかっていてもどうしても自分でやっつけたい様子。でも、本物のチカンが襲いかかってきたときに尾白先生が守ってくれました。
 「どんなに君が強くても、それでも僕はこうして身を挺すること、おぼえておいてほしい…」
 尾白先生、やっぱりかっこいいじゃないですか!可愛い生徒のため、そして大切な奥さんのため、先生は本当に心配してる。文乃は強くてかっこいいです。もちろんカワイイところもあります。だけど、もう少し先生に甘えて女の子らしくするともっともっとカワイイ文乃ちゃんになると思うな。



 [ love.9 ]

 先生の弟・翔馬くん登場〜♪ といっても、文化祭準備のときからすでに登場してて、前回文乃を男と間違えて着替え覗いて吹っ飛ばされていたのが翔馬です。(笑) もっといえばlove.7の最後ですでに登場してます。尾白先生に敬語の翔馬。それで仲良いのか悪いのかよくわかんない感じ。二人の関係にも今後注目。

 それでも冒頭や最後で、チカンと格闘した傷をナースコスプレさせた文乃に手当てさせる尾白先生という回想や、学校の誰もいない部屋で二人でイチャイチャしたりなど、イチャコラぶりも絶好調です。もう勝手にやってなさい!(笑)



 [ love.10 ]

 まーくん、あっさりと文乃と結婚してることを翔馬に話してしまいました。翔馬の頭の中は「……??!???!!!」こんな感じでしょうか? そりゃそうですよね。法律的には認められますが、世間の常識では教師が在学中の生徒と結婚なんていうのはタブーですからね。

 一馬と翔馬は異母兄弟。一馬が生まれてすぐに母親死んじゃったこと。まーくんの過去がまた少しわかってきました。兄弟の関係も微妙なんだけど、時折みせる翔馬の悲しそうな顔。それに、発言とは裏腹に文乃に対して兄を庇うのか恨んでるのかわからないような発言。翔馬の本音はどこにあるのでしょうか。

 シリアスな場面でもやっぱり笑い担当は専ら龍先生。隣の尾白家の怒号にびっくりして食べようとしていたラーメンをこぼしちゃうところ。小さいコマなんだけど、笑っちゃいました。こういう脇役のわずかなところでもいきいきとしているのは良作のひとつでしょう。



 [ love.11 ]

 翔馬の本音。先生のこと恨んでるはずがない。その逆。一馬のこと本当は尊敬もしているし、大好きなんだよね。こういったら語弊があるかもしれないけど、いわゆるブラコンってやつです。だから、翔馬が悲しい顔をしたのは一馬が文乃と結婚していることじゃないよね。兄がもう尾白家と関わるつもりはないと聞かされたことが悲しかったんだろうなと思います。一馬とちゃんと向き合って話をしたときの翔馬はいい顔をしてました。兄を思うからこそ文乃を邪魔者扱いして、手切れ金で解決しようとする。やっぱり翔馬はブラコンなのか?(笑) 翔馬に差し出されたお金を「いらない」って振り払った文乃がかっこよかった!流されないで自分の気持ちに正直な文乃ちゃんいいですね。

 先生の方はそんなことよりも、翔馬が文乃に手を出してるんじゃないかって心配なのです。前回押し倒されてるし、意外と文乃は先生のやきもちに気付いてないようだし。学校で文乃に「デートしよう」(デートじゃないけど。)って誘ってきたことで尾白先生に黒い炎のオーラ。おまけに鉄兵迎えに来てなくて、赤ずきんちゃんの発想で、オオカミ→翔馬、赤ずきん→文乃=文乃が食べられる=手を出す?みたいな一馬の妄想が、一馬の嫉妬というか焦りみたいなものを感じますね。
 倉庫に閉じ込められて助けにきた尾白先生でしたが、翔馬が熱を出して倒れて文乃と密着してたのを見られてしまい、翔馬がミンチの危機に!だけど、二人はデートじゃなくて翔馬の用事に文乃が付き合わされているだけだったので翔馬がミンチにされることはありませんでした。あたりまえだよ!(笑)

 でも、一馬があせっているのは事実。「翔馬といなくなったとき自分でも戸惑うくらい嫉妬した。」先生、けっこういっぱいいっぱいでしょ。
 「大切にしたいのに時々こわしてしまいたくなる…」
 嫉妬心からくる本音ですかね。文乃が学校にいる間は先生うっかりしてられないです。



 [ love.12 ]

 まーくん&ブンちゃん、水族館デート♪ 前回もキャンプでデートの回があったけど、あれは家族で行くのが目的だったけど、今回は一馬&文乃のデートが目的なので、二人はバイクで残りのメンバーは車です。
 本当なら先生とイチャイチャしたい文乃ちゃだけど、翔馬にいじわるされてなかなか恋人気分になれないわけですよ。結局二人でデートみたいな雰囲気になったのは終盤のころ。文乃がまた騒ぎ起こしちゃって結局二人きりになったわけだけど、そこではじめてまーくんがブンちゃに「好きだよ。」と気持ちを伝えました。そして最後は二人で手をつないでラブラブ。ようやく恋人同士な気分に。すでに夫婦なんだけど、まぁ、この二人は手順すっ飛ばして恋人の関係もなくスピード婚みたないものだったので、龍先生のサポートで恋人気分も味わうことがブンちゃんの楽しみでした。
 久々に二人の関係に進展がみられた感じです。気持ち伝えて手をつないなんてかなりの進歩ですね。やっぱりあとはキスなんですが… こっちはまーくんドSで楽しんでるし、キスまだ感がこの漫画の売りなので、キッスはまだまだおあずけかな。

 最後にギリギリ出演の火熊組・若さま!! なんだけど、どうやらまーくんとブンちゃが二人きりになるように画策した? おかげでまーくんは怒気出まくってますけど、大丈夫でしょうか。出歯亀しようとしてるみたいだけど…


 4巻  2008年12月5日 発売

 [ love.13 ]

 先生とはじめて二人きりになった場所がラブホなんて… キスもまだの二人が。そりゃ〜ブンちゃ大パニックですよ!龍先生も言っていたけど、まーくんひたすらガマン大会。そんなこととは知らずにブンちゃは夢の中… あのまま寝てるところを襲ってもよかったんだろうけど、そういうところは一応紳士的なまーくんなんですよね。自制心よく壊れないもんだな。

 まーくんはブンちゃを残してバイク修理に行ったので二人の間には何もなかったわけですが、おかげでまーくん高熱でダウン。そんなときでも甘美なところがこのマンガのすごいところ。龍の入れ知恵でナースコスプレで看病のブンちゃんに、そしてついに
初キッス♪と思ったら、マスク越しじゃん!(笑) やっぱり本当のキスはおあずけのようです。
 いやぁ〜でも、いつもブンちゃいじめてドSのまーくんが、弱って珍しく押されている姿もいいもんですね。ブンちゃのナース服見て必死に嬉しさ隠すまーくん、見ていて面白かった。たまにはこうやってまーくんいじめるのも悪くないね。

 そしてやっぱり鉄兵がイイ! 寝顔と、「しょーくん、ブンちゃをいじめちゃやだ!」って翔馬にパンチするのがかわいすぎる!!翔馬のことを「しょーくん」って呼ぶのがまたいいんだな。



 [ love.14 ]

 まーくんすっかりよくなったようで、冒頭も甘〜い展開に戻ってきました。やっぱりキス早はこうでなくちゃ!なんだけど、まーくん、ブンちゃんとマスク越しのキスを憶えていなかったというオチつき!!(笑) ということでノーカウント! ありゃりゃ… ブンちゃん残念でした〜。

 そんなあま〜い展開ではじまった14話だけど、学校行ったらそんな空気など吹っ飛んで、文乃と尾白先生のホテルで朝帰りという噂が学校中に飛び交っていてさぁ大変!やっぱり文乃は石化。(笑)
 それに対して堂々としている尾白先生。そしてかわし方がうまい!普段は頼りなさそうな先生なんだけど、文乃を守ろうとする尾白先生はやっぱり強くてかっこいいです。

 今回の騒動で先生に助けられっぱなしの文乃が、先生の誇れる生徒になって卒業すると決心し、文乃も先生の愛情によって人間としても少しずつ大人になっているのがわかります。



 [ love.15 ]

 まーくん突然の別居宣言!と思ったら、それは二人の仲を疑う教頭の目を欺くために、いつかくるかもしれない家庭訪問に備えてだけど、さすがは一馬。これも文乃のことを思ってのことでしょう。
 怒っている文乃に久々ドSモードで攻めてるけど、ひとん家でイチャイチャしてる二人を見れば一馬がもちろん文乃を手放すはずがないだろう。ちょっと安心(?) バカップルぶり健在でした。よかったぁ。

 別居生活が始まると、文乃の心の中は先生でいっぱいだいうことに改めて気付きます。別々の生活だから、学校に行くといつもより先生に見えて新鮮なこと、教師と生徒って意外と接触がないことに気付く。家でも別々の食事やおふろなど、家族の証拠がなくなっていくことに寂しくなります。間違って先生の部屋に帰ってしまいそうになったり、日直で久々に先生と接触して喜んで、文乃の中で一馬の存在が大きくなっているんだなと。相変わらず鉄兵は先生の部屋に間違って帰る文乃をフォローするなどのしっかり者の役割と、教頭先生が怖くてうるうるするなどのかわいさぶりの両方を発揮してます。
 一馬の方も、帰ってもひとりの部屋、食事の寂しさ、文乃と密着する黒沢にいやがらせ(?)的な教師ともいうべき人間が大人気ない行動。結局先生も長くは持たなくて、龍と同じ匂いが許せないだとかで文乃をバスルームに連れ込んだりするあたり、けっこう嫉妬しててブンちゃ以上に辛かったのかもしれないね。「いっそ一緒にお風呂入りますよ」なんて、やっぱり先生はスケベです。(笑)

 相変わらずお調子者の龍先生。別居生活するってことになったときにブンちゃんに馴れ馴れしく触って殴られたのに、こりずにまた教頭先生に「うちのブンちゃん」とか文乃にはもっとちゃんとした男じゃなきゃダメとか言ってましたが、その時は耐えてたようですが明らかにブチっと切れていたまーくん。教頭先生が帰ったあと、まーくんにボコられる龍先生が想像できそうです。(笑)



 [ love.16 ]

 今回は文乃の先生へのサプライズバースディ作戦! 誕生日のイベントを知らない一馬のために一生懸命準備して、バイトしてプレゼント買う文乃が可愛らしいコト。先生に「25年前生まれてきてくれてありがとう。」の文乃の可愛さはメガトン級。途中、先生にバイトがバレてしまって心苦しい思いをしたけど、先生にプレゼントしてあげたい文乃の強い思いで無事にお祝いできて恋する女の子のパワーなんだなって思います。尾白夫妻の絆がまた深まったことでしょう。

 勘の鋭いまーくんなので、文乃が友達と勉強するというのを文乃じゃなくて龍が言ってきた時点で何かあると察したと思いますが、尾行して突き止めるあたり、おまけに自主パトロールでチンピラ撃退するなど、一馬の行動力にはあっぱれ。

 ちなみに、まーくんの誕生日は11月22日、“いい夫婦の日”だそうです☆♪



 [ love.17 ]

 文乃の苦手科目は英語。しかも一馬は英語担当。それは先生ショックだろう…。文乃のために英語で日記をやろうってことになるんですが、生徒としての救済の意味もあるんだろうけど、それでも十分文乃のことと特別扱いですよ先生。文乃はケンカも我慢して必死で勉強している。一馬という大切な人に出会ったことで文乃の気持にも変化が表れて大人になっているんだなと思います。

 どんな食べ物が好き?という英文。正解の一例は「What kind of food do you like?」なんだけど、文乃の「What like food」っていうのもすっごく気持はわかります!大切な単語はしっかり出てますから。あとはここに疑問詞とか主語とかいろいろ補っていけばいいんです。
 先生も言っていたけど、英語は楽しむことから始めれば私もいいと思います。英文や文法は無理に覚えたところでちゃんと身につくかどうか… というのも、ここからは私的なことにもなるんですが、実は私小4の頃から英語を始めました。(もちろん学校じゃなくて塾です。) そのときいきなり堅苦しく始めたのではなくて、英語を楽しもうぐらいな感覚からのスタートだったんです。一応単語がわかっていることが前提で英語の歌とかゲームとかしたりね。それで私はだんだん英語が楽しくなっていつのまにか英語が得意科目になっていて、高校・大学と英語を専攻していました。留学もしました。尾白先生ほどではないけど、一応英語は人並みにはわかってるつもりです。(たまに間違いにしばらく気付かないこともありますが。笑) だから一馬の言うことにどれも納得。私も尾白先生と同じ考えで、もし英語が苦手な人がいたらまず楽しんでみてはいかかでしょうか?


 5巻  2009年6月5日 発売

 [ love.18 ]

 巨乳の金髪美人登場!!マーガレット・ダントン・通称メグは翔馬がアメリカに留学していた時にお世話になっていた家の娘で、ダントン家はホテル経営しているらしい。一馬と文乃が結婚していることも知っているので当然一馬はメグに内緒にしてくれって頼むわけだけど、メグは二人の弱みを握ったことをいいことに、文乃をパシリ扱いしたり一馬にキスを迫ったりするなどのやりたい放題。「言うこと聞けなきゃバラすわよ」みたいな脅しをかけて二人の間をひっかき回して気分はお嬢様。見事奴隷化している文乃がかわいそうだった… メグにセーター奪われて震えている文乃にジャージ貸してあげてた黒沢くん。最近影が薄くなったな…

 二人が結婚していることを黙ってるからキスを迫られても純潔を保った一馬はやっぱりかっこいい。文乃のこと本当に想ってよこの人。自分以外とはキスしちゃいやだって一馬に抱きついちゃってカワイイ文乃ちゃん。こんなことされたら尾白先生の理性が保てなくなりそうですが、学校なのでなんとかガマン。それでも二人だけの空間ならば学校でもラブラブぶりは相変わらず。



 [ love.19 ]

 龍先生が保育園のマダムから貰ったという優待券で温泉旅館へ!6人の思考や思惑はそれぞれで、招待券をもらった龍はもちろん参加、鉄兵の面倒は龍、翔馬はメグの監視役、メグは一馬にベタベタ、尾白夫妻はただイチャイチャしたいだろうけどメグのおかげでハラハラ…みたいな、いろいろな騒動があって面白いです。

 相変わらず文乃はパニック体質で、一馬の貸切風呂を訪ねたくせにいきなり風呂上りの一馬を目の前にすると動揺してすべって転んでしまう文乃に笑ってしまったけど、文乃の空回りして先生を困らせて…という心情を読むと、不器用ながらも恋に一生懸命な文乃の可愛さというものが切なく伝わり、そんな文乃でも変わらず優しく包み込んでくれる一馬の愛情に、二人のお互いを想う気持ちにキュンとさせられます。

 ただ、ムネコンプレックス(?)の文乃(Aカップ)には、Hカップのメグと一緒の温泉は気の毒なような気もしました。(笑) でも、文乃の胸もちょっと大きくなったらしい? 文乃と一馬はまだAも超えていない清らかな関係ではありますが、ギュって抱き合ったりはよくしてるので一応一馬は文乃の胸の成長はわかるんでしょうかね? さすが、まーくんです(?)



 [ love.20 ]

 メグが日本に来たのは翔馬に会うため。会社のために父親が決めた相手と結婚する、いわゆる政略結婚。ドラマのような話ですねー。散々メグにいじめられたのに同情しちゃったブンちゃんが、メグに素直になってもらおうと浮気大作戦!翔馬とデートして、素直な気持ちになってもらおうとするわけですが、失敗するだろうと思っている一馬だったけど、意外と効果覿面で翔馬に好きな気持ちと結婚したくないことを伝えたメグちゃんでした。はぁ…一件落着ですが意外とあっさりしてました。メグが一馬に対してちょっかい出しているのもからかっているだけだったそうでブンちゃん一安心か。

 浮気作戦、翔馬&文乃サイドは最後の演出でハグしてましたが、これにはまーくんやきもちやいたらしくて、
 「だれにもスキを見せないで ぼくだけの距離だから…」
と独占欲丸出し発言… 人の気も知らない文乃が何言いだすかわからないので先生も苦労しますね。



 [ love.21 ]

 クリスマスプレゼントの資金を稼ぐため、ブンちゃん再びバイトです。クリスマスのイベントの経験がない一馬のためにも頑張る文乃ちゃんですが、一馬の方が気合い入ってる。大きいツリー買って、ケーキも予約して、さらには文乃にサンタビキニのコスプレを要求(文乃は拒否)するなど、文乃以上に家族に対して愛着が出てきたような尾白先生です。
 結局クリスマスイブは風邪ひいて台無しになってしまいましたが、意地でもバイトへ行こうとするブンちゃんにまーくんが「キスしよう。風邪ならうつるけど元気なんでしょ。」って落ち着かせるテクはすごいな。イブなのに子守をする龍はイイ奴だ。龍の女性関係はどうなっているんだろうか…?

 風邪ひいて汗かいてる文乃を半裸状態で背中を拭いてあげる先生。ある意味キスすよりもこっちのほうがすごいと思う… なんだかドキドキしてしまったよ。



 [ love.22 ]

 文乃のおじいちゃんちへお墓参り編。文乃の親戚との関係が明らかになりました。親がかけおちで家を出たために、子供である文乃や鉄兵にも冷たい風。それを知った一馬が「君がこれ以上傷つく必要はない」と文乃を守る姿がかっこよすぎるよ。和解した祖父に文乃を「必ず幸せに」と、両親に「一生娘さんを大事にします。」と誓った一馬はもう最高でした。文乃ちゃん、先生にすっごく愛されてると実感します。この出来事が一馬にとって文乃を守っていかなければならないと改めて心することになったのではないでしょうか。ちょっと切ないけど、尾白一家の絆が深まったとっても素敵なお話でした。


 6巻  2009年11月5日 発売

 [ love.23 ]

 祖父と和解しましたが、文乃サイドの問題はこれだけではなく、まだ続く梶家編。祖父の次は叔父の登場。熊猫高校に柔道部のコーチとしてやってきて文乃の叔父・梶智之。文乃が唯一親しかった親戚。二人並ぶと智之は文乃と同じくらいの身長、年下に見えますが、智くん(智之)は実は28歳。見えねー!!(笑) でもね、叔父ですから年下はないだろうよ。
 智くんが文乃の前に現れた理由はもうひとつ。文乃を迎えにきたこと。今まで海外でコーチをしていたんだけど、文乃の両親が亡くなって、その時にすぐに帰国できなかったことを悔やんでて、今になって文乃を迎えに来たのでした。なんて間の悪い…(それがマンガですから。)

 智くんが学校に来たということは、文乃も言ってましたけど、本物の身内が現れたとなると、尾白先生や身内だとウソをついている龍先生との立場も危なくなります。智之は尾白先生にその現実を突きつけ、結婚ごっこを終わりにするか、教師をやめるか、答えを詰め寄ります。
 文乃の身内に迫られて、しかも言っていることは正しい、それじゃさすがの尾白先生も敵うわけがなく、危険な状況に置かれているということに反論できず。

 智之はさっそく文乃と鉄兵を連れていこうとしますが、一馬が家族と過ごせる時間がほしいと一晩だけ待ってもらうことに。たしかに文乃と先生は順番を間違えてしまったかもしれません。智之の言っていることの方が理にかなってる。それでも、二人の間にはすでに家族として夫婦としての絆が深くなっているんですよね。
 
「僕が教師じゃなかったら、君たちをさらって逃げられたのかな…」
 このセリフに胸が痛かった… 一馬は教師であり夫ですから文乃を不幸にすることは絶対にできません。あぁ・・・切ないです。



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 文乃と鉄兵、智之の住むマンションへ移り住むことに。鉄兵は智之が身内だと知ってすっかりなついてますが、やはり4歳児には事実は理解できず、またまーくんのところへ戻ると思ってる。文乃も元気がなくて、そんな中でも変わらないのが一馬です。早朝から電話をかけて得意のS気質で文乃を弄びます。

 智之は二人を離れさせて気持ちが冷めることを望んでますが、はたしてそうなるでしょうか。離れるっていっても学校で会えるし、本当に遠くにいくわけじゃない。それに二人はもう家族としてとっても深い絆を築きあげているので、そう簡単には…と思うのですが。
 智之は学校での尾白先生の様子を厳しくチェックすると言い、油断できませんよー。家族構成や犯罪歴までって… 地獄のまーくん時代は大丈夫?

 先生と会えない寂しさや不満から「好き」と言葉にする文乃が、先生に対して素直になることもみられるようになってカワイイです。でも、結局はずかしくて学校で会ったら逃げてしまうところなんかは以前と変わらずで、文乃らしさを残しつつ成長しているところがいいです。
 文乃に好きと言われて飲んでいたものを吹きだしてしまう一馬に大笑い。たしかにあのブンちゃんからそんな言葉が出てくるとは思わないですよね。でも、まーくんってば「もう1回言って」ってやっぱり嬉しいんだろうな。あとで自分で照れてるしね。こちらもかわいい。

 文乃に逃げられても、彼女の危機には必ず体を張る尾白先生。智之に投げ飛ばされた不良が、仕返しにターゲットを文乃にして飛んできたブロックから守った尾白先生はやっぱりカッコイイ。近くに智之がいたにもかかわらず自分でケガしてまでも守ってしまう一馬の度胸はおとこらしいです。文乃のこと本当に大事にしてます。智之の体に傷をつけれないから突き飛ばしてしまいましたなんて軽々と言ってるけど、額あたりから大量に血が流れて痛そう… それでも平気な様子をみせるあたりはさすがヤンキーあがり。



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 また新キャラ出ました。智之がフランスで柔道のコーチをしていた女の子・空木トモエ。智之と同じくちびキャラですが、彼女も文乃より年上の18歳。トモエがいきなり智之を襲って登場するので何事かと思ったら、智之と結婚する約束を叶えるために、わざわざフランスから追っかけてきたといういきなりとんでもない展開に。
 トモエは智之から一本取ったら結婚してやると言われ(言葉のあやみたいなもん?)、どんな手段を使ってでもコーチに勝ちたい。智之のホントの家族になることを夢見るトモエは、実の家族とは仲が悪かったということで、読者からしてみればトモエの冗談のようでとんでもない行動に見えるけど、コーチへの気持ちは本物なんだろうなと思います。その表現の仕方がちょっと変わってるけど。もちろん本気相手のコーチにトモエが敵うわけがなく、トモエの結婚への道はまだまだです。

 トモエ騒動で忘れそうになりますが、智之に投げ倒された不良が文乃を襲って、脅迫状まで突きつけた事件も並行しています。が、ターゲットがなぜかトモエに… そこに文乃と尾白先生が現れ大喧嘩が勃発か、のところで殺気を帯びた智之も現れ、さらに最後にはトモエが泣き出してしまうという、読者もついていくのが大忙しな展開。トモエ騒動と不良騒動で騒がしい回だな。

 智之から教師が教え子に入れ込んで恥ずかしくないのかと言われ、人を大事に思うことに肩書が必要ですかと反論した尾白先生がカッコいい!マンガの世界ですからキレイごとでも何でも、素敵なセリフにキュンとします。



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 トモエ騒動から再び尾白先生VS智之のバトルが再開。なんと、智之は尾白先生に乱取り勝負を持ちかけてきてまたまた大変な展開に。智くんは元オリンピック候補という最強プレイヤーで、いくら過去に暴走族100人とタイマンはって無傷で帰って来た地獄のまーくんでも、今回は相手が悪すぎるよね。
 案の定、練習相手のトモエにでさえも歯が立たず、武道と不良のケンカは別物ってことですよね。それでも伝説のヤンキーとして昔に名を馳せていた一馬ですので、それなりの体力と根性はあります。

 体育会系の二人の乗りに振り回され耐えられなくなった文乃ちゃんは尾白先生に「大っ嫌い!」と言ってしまいました。ただの「嫌い」じゃないんですよ。「大っ嫌い」なんですから。先生にはかなりのダメージか… 嫌いと言ったけど毎日練習を頑張る先生のために慣れない料理(と言っても、おにぎり。)をして、差し入れして、やっぱり先生のことが心配。「食べれば?」って怒りながらも気にかけてくれてツンデレもいい調子です。文乃のおにぎりひとつで元気になった後は、いつものSモードで文乃を弄ぶ余裕の尾白先生も相変わらずです。

 智之相手に先生が勝てるわけがないと心配する文乃に、先生の妻であるブンちゃがいちばんに応援しなきゃダメと励ます鉄兵は相変わらずいい役割をしています。寝ぼけた鉄兵が智之に一馬はどこかと聞いて、鉄兵の中ではまーくん>智之になってる。子供って正直です。いくら家族でも、それまで長くいて自分に愛情を持って接してくれた人にすごく懐く。智之は親戚だけど、鉄兵の中では一馬が本当の家族になっちゃてるんだろうな。だから、乱取り勝負でも親戚の智之よりも今一緒にいる一馬を応援しちゃう。子供のこういう純粋なこころってかわいいし、勝てないなと思います。

 勝負の結果は、智之が汗で滑ったすきに一馬が一本取るという思わぬ勝利になりましたが、勝ちは勝ち、文乃と鉄兵はめでたく尾白家へ戻ることができて一件落着? 一方で、先生が勝ったら智之はトモエと結婚をする…という約束ですが、こちらはやっぱり決着つかずです。(笑)



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 熊猫高校修学旅行編です。沖奈和にやってきた文乃たちですが、南国といえばキレイな海。修学旅行って前にもなかったっけ?っと思ったら、前回は臨海合宿とかキャンプでした。似たようなイベントいろいろあって何があったのかわからなくなってきました…

 相変わらずただの修学旅行にならないのがこの漫画。またしても問題児の文乃が一騒動起こします。今回の原因は先生にあるんだけどね。智之のところから戻って来た文乃たちですが、なんと、先生が草食男子化!! 文乃のお迎えコスプレを弄ぶどころか、大胆な恰好をしている文乃を心配したり、修学旅行先でもバレー部3人娘の協力で先生に色仕掛けで迫っても無反応… たまにはS以外の一馬もみたいところですが、草食系はどこか調子悪いのではないかと心配してかえって調子狂っちゃいますね。(笑)
 さらに自分の胸をビート板扱いされて、文乃はとうとう怒ってしまい、黒沢くんと一緒にホテルを抜け出してしまいます。お久しぶりの黒沢くん。ホント、久々だねー。久々の登場が小夜ちゃんに頼まれたホテル抜け出すためのはしご役… 黒沢くんに文乃をかっさられて尾白先生が本気でキレたーーー!!!あの顔、マジで怖ーい!!
 結局尾白先生に(文乃だけ)捕獲されましたが、最後まで意地を張ってしまい、先生やっぱり怒ってます。黒沢くんに連れていかれて先生本気の嫉妬モードです! でも、この二人なので最後はやっぱりお互いの気持ち確かめてベタベタ。
 一方の黒沢くんは見周りの先生に捕まって、文乃ちゃんとのんびりデートもできず。やっぱりかわいそうな男です。(笑)



 7巻  2010年4月30日 発売

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 鉄兵の保育園の行事に参加する尾白夫妻。海の次は山、ということで家族でハイキングです。そしたら教頭先生とばったり。5巻で登場したえみりちゃんのおじいちゃんということで、教頭先生VS尾白夫妻の熱きバトルが勃発。
 ハイキングはちょっとしたゲーム感覚になっていて、それをクリアしながら頂上を目指すという競争式になっているのだけど、いつの間にか教頭先生VS尾白家の争いになってる… まーくんはもともと体育会だし、ブンちゃんも売られたケンカは買うタイプなので、二人とも本気になって、子供よりも熱中してるのがほほえましいです。

 この話のなかでみえる家族の絆。似非家族だと言われ、家族がいなくてかわいそうと同情された尾白家。でも、3人はそんなこと気にならないくらいに強い絆で結ばれています。尾白家にしてみれば同情されたことがかえってさみしく思えるくらいでしょうね。
 昨今は血縁関係のある家族や両親と子供という正統な家族の絆ではなくて、片親だけとか赤の他人同士が家族以上の絆を深めるという変則的なカタチで描くマンガやドラマが多くなっています。こんなカタチでしか家族愛を描けないのも悲しい世の中になったものです。(話が少しそれました…申し訳ない。)

 結局、ハイキングレースは教頭先生とえみりちゃんの優勝となりましたが、孫の飛ばされそうになった帽子を拾ってくれた鉄兵(&文乃)にもメダルをおすそ分けするという、最後には父親の顔と教頭の顔でびしっとしめておいしいところ持って行きました。でもやっぱり文乃と先生との仲は疑いの目で見てる。なのに、堂々としすぎる一馬はすごいですね。

 それにしてもこの漫画は学校行事とかイベントがよく出てくるな。修学旅行、文化祭、臨海学校、花火大会、球技大会などなど…。メカ先生はイベントネタがお好きなのでしょうか?



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 春休みが終わり、文乃が高校3年生に。高3といえば進路です。先生生徒モノでよく出てくる内容です。いやぁ〜、ブンちゃんはもう結婚してるのでそのまま永久就職でいいと思うんですが(笑)、尾白先生は自分と結婚したことで文乃をしばることはできないからと、夫である先生のことは考えないで進路を選択するようにと言います。やっぱこのパターンか。
 でも、先生ってば文乃の決めた道なら応援すると約束しましたが、結局文乃はメグからの指摘でリスニングが聞き取れてると知り、英語の大学を目指そうと決め、「心変わりなんかさせない。」と、先生はやっぱり文乃のこと近くに置いておきたいんだな。もし、文乃が一時でも先生のもとを離れる選択だったらどうなっていたんだろう。まぁ、そんなことは選択肢になさそうですが…(笑) 文乃も先生と同じ道を歩むことになるのかな。文乃が夫としてだけじゃなくて教師としても自分を変えてくれたって言っていて、文乃が先生から受けた影響は計り知れないんだろうな。

 文乃ちゃん、だいぶ英語が聞き取れるようになってるみたいだけど、英語は将来役に立たなくても普段生活する中で役に立つことはあって(たとえば海外の映画などが字幕なしで観れる、英語の歌詞が訳せるなど。)、やって損はしないです。英語の歌とか聞き取れると嬉しいです。

 私も高校生で進路が漠然としていましたが、まだ就職する気にはなれずいちばん得意科目が英語だからという中途半端な気持ちで大学へ進学しました。だから、同じように小さなことでもきっかけを見つけた文乃の気持ちがとても理解できました。英語の大学へ行ったことに後悔はしていませんが、もっと真面目に考えればよかなったと後で反省するばかりでした。後悔先に立たず。

 進級でクラスはもちあがりだけど先生は変わるとダマされショックだった文乃(実際は先生も持ち上がり。)に、彼女の中で先生の存在が本当に大きくなっていて、最初の頃に比べずいぶんと成長していて、素直になっている文乃がかわいいです。



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 ついにきたー!! 明かされる地獄のまーくん編。一馬にとって黒歴史という荒れた高校時代です。若かりしまーくんや龍せんせい、火熊組の若さま・烈も登場。すでにこの時からナンバーワンの不良として名を馳せてい地獄のまーくん。一緒にケンカして青春時代を過ごした龍せんせい。若さまはまーくんたちと敵対する関係でケンカ相手だったようです。
 でも怖そうに見えるけど心が空っぽで孤独の面もあった一馬。高校になって不良の道へ走り、親にそっぽを向かれてしまった。尾白家を担うのは次男の翔馬だと。たしか、尾白家は政治をやっていると以前翔馬が言ってました。つまり一馬は家を追い出されたことになるのです。父親は新しい家族ができ、ひとりぼっちに。
 そんな一馬に対して恐れず真正面から飛び込んできたのは、担任の前田先生。先生は一馬がさみしい思いをしているのも知っていて、生徒としてとても大切にしていました。まーくんがさみしくしていると家に温かく迎え入れてくれて、こんな自分でも相手にしてくれる先生と出会って変わっていくことになります。
 先生が倒れて会いに行けないといったのはやはり過去が関係しているのでしょうか。高校時代は英語の成績が壊滅的だったそうで、それが今や英語教師ですから、まーくんの人生を変えたのはきっと前田先生だったのではないかなと思います。

 一馬が親に絶縁されたこととか、以前翔馬が尾白家を継ぐと言ったことなど、過去でやはりその意味が見えてきました。一馬の高校時代の物語はまだ続きます。



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 地獄のまーくん後編。前田先生の優しさによって変わり始めたまーくん。そんな時、烈が前田先生を拉致して、一馬と決闘を申し込みます。危険な場所に先生を巻き込んで傷つけてしまった。それでも前田先生は怒りもせず、逆に一馬はまた先生に助けられてしまった。本当は自分が謝らなければいけないのに。前田先生は身体が弱く一回でも倒れたら教団を降りるという約束で、この事件で体をこじらせ倒れてしまったため、その後学校には戻ってきませんでした。
 卒業式の日、一人前になったら会いに行くという約束で、まだ自分は会う資格がないからと拒んでいますが、読者や文乃からしてみれば尾白先生はもう十分ですよね。在学中の生徒と結婚というのは世間的にはタブーですが、事情が事情だし、前田先生なら解ってくれそうな気がします。

 結局尾白先生は前田先生が危篤だと騙されてお見舞いにいくことになりましたが、先生に感謝し、自分が結婚したことも報告(ただし、相手は生徒だとは言っていない。)して、先生との約束が果たせたなんだなぁと思うととても気持ちの良いシーンです。でも、前田先生ってば文乃が生徒であると感づいている?もしそうだったとしたら、それでも先生はやはり一馬のこと祝福してくれて、一馬が人として変わったこと、今の尾白先生スタイルがあるのは前田先生の影響がとても大きいようです。

 前田先生が空っぽだった一馬にこれからたくさんの人と出会って家族もできて、きっと大切なものでいっぱいになると励ましていましたが、前田先生の言葉通り一馬はいま文乃や鉄兵と出会って家族ができました。幸せな姿を見せてあげれただけでも前田先生へ恩返しができたのかなって思います。

 地獄のまーくん編ですが、そんな怖いケンカの描写はありません。メカ先生が血みどろではないので安心してくださいと言ってましたが、そっちでも良かったですよ。期待していた方いるんじゃないですかね。



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 冒頭は久々のお迎えコスプレ。警官バージョン♪ ブンちゃんもかわいいけど、それ以上に鉄兵の「たいほでありまーす♪」が可愛すぎ!抱きしめたくなるほどかわいい!だんだん文乃のコスプレ衣装の肌の露出が増えてるよね。それをわかっていじめる一馬はやっぱりSです。(笑)

 さて、尾白夫妻はもうすぐ結婚1周年。ということでクルーズデートです!デートになると必ずベタ甘になるのがこのバカップル夫婦ですが、今回は甘いには甘いですけど、ちょっといつもと様子が違います。
 一年前とくらべれば確実に距離が縮まっている先生と文乃。そろそろキスくらいしてもいいじゃない?と文乃も読者も思ってる、この作品のいちばん核心をつく疑問が提示されることになります。なかなかキスしてこない先生に煮えたぎる文乃が、クルーズデートで先生のキスを奪おうとします。が、なぜだが先生は文乃を拒みブンちゃんの作戦失敗。口以外には散々してるのに…と思うところですが、やはり一馬は教師という立場でもあるため、本当にキスしてしまったら感情を抑え込むことができない、本当はいつだって文乃に触れていたいという先生の本音を聞くことができました。が、活字にして読むと恥ずかしい…
 結局キスは叶いませんでしたが、二人がお互いに本音を吐いて、なんとガラス越しのキス!見た目は透明なので本物のちゅーにも見えますが、前回のマスク越しのキスに比べれば感触はなく、ここは好みの問題だと思います。本番はいつになるでしょうか。文乃が高校を卒業するか?

 ドレスアップした文乃ちゃんはとっても綺麗で、まーくんととてもお似合い。周りも怪しい目で見る人がいますが、そこは一馬の威嚇で撃退!ブンちゃがきれいになったら一馬も大変だけど怖いよね。つねに相手をガン飛ばしてなきゃいけないね。(笑)

 クルーズデートなのになぜかいる龍先生にメグに翔馬。龍先生は鉄兵のお守という大事な仕事があるし、メグも文乃のサポート役だけど、協力者と言えば聞こえはいいけど、要はでばがめ集団。(笑) この二人はラブラブだけどその前にたいてい一騒動あるから、協力者がいないと読者もついていくのが大変。外野がいると盛り上がるし、二人の状況を説明する重要なポジションでもあって、龍とメグがいると楽しいです。



 8巻  2010年12月3日 発売

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 次のエピソードは体育祭。7巻まで出ててまだ描かれていなかったとは。だいたい学校行事が出てくると、文乃が暴れて騒動を起こして、危険なところを尾白先生が助ける、というパターン化してきてますが、今回も例外なしです。
 もともと文乃は正義ある問題児ですので、ただの不良とは違うんですが、尾白先生やクラスメイトが振り回されて迷惑かかっているのは否定できませんね。

 今回は騎馬戦で翔馬を狙おうとした敵から守ろうとした文乃がケガを負って、結局いつも通り先生が王子様のように助けに現れて最後はやっぱりベタベタ。(笑) でも、騎馬戦で勝負してるのに、勝負よりも文乃の危機を優先した尾白先生はカッコ良いです。先生、いつもタイミング良く現れて、文乃のことよく見てます。

 1/4コーナーで田中メカ先生が学生時代の体育祭でハリケーンのお話をしてましたが、ウチの学校もまったく同じ競技がありました。私の学校では「台風の目」と言ってたんですが、ハリケーンも台風も同じようなもの。メカ先生は愛知県出身。私はメカ先生の隣県出身。しかも愛知寄り。同じ中部圏ですので共通することが多そうです。

 どうでもいいですが、ちなみに私の体育祭の思い出は障害物競走。障害物の最後。小麦粉の中に顔さら突っ込んで、中にある飴を口だけで探して食べる。これキツかった…。むせた。顔真っ白だし。しかも写真に残ってるよ。これはもうやりたくないです…



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 翔馬をかばった文乃が全治10日の打撲。しかも利き手ということで生活に負担がかかる。そこをやはり楽しむ尾白先生。文乃の右手が使えないのをいいことに弄ぶ。(笑) でも、ブンちゃは抵抗できなくて結局先生に遊ばれるのが楽しいです。

 もちろん負担がかかるのは学校でも同じ。文乃の髪が整っていないのを見た翔馬が、彼女の髪をとかしてくれたり身の回りの世話をして、いつもと様子が違います。自分をかばってくれたことなのに「余計なこと」と言うところは素直じゃないままだけどね。それでも必要以上に文乃を構っています。

 文乃の長い髪が兄の部屋を汚してるんじゃないかと思って「丸坊主にしてしまえ!」のセリフは笑っちゃいけないんだろうけど、いきなりとんでもないことを言うので可笑しかった。(笑) いつもの流れだったらそこで反論してケンカするだろうに、なんと真面目に受け止めて文乃が髪を切ろうとする流れに、翔馬の丸坊主発言がその後の物語を作っていきます。
 一馬は髪の毛すら洗える状態にない文乃の髪の毛を洗ってあげます。自分と結婚した長さはこの辺だろうか、文乃の親が生きていた頃の髪はこの辺だろうか、など文乃の髪の毛一本一本にまで愛情を注ぐ一馬の姿にあったかい気持ちになりました。そんなところまで普段の私たちですらあまり考えないことじゃないだろうかと思います。相変わらず文乃は先生との至近距離には限界に達するのが早くいまだになれていないのがかわいいですね。

 でも、一馬が文乃の髪の毛を洗ったのは翔馬にヤキモチを焼いていたこともあって、一馬にとって大切な翔馬でも文乃が絡めばライバルになってしまいます。お昼休みに翔馬が文乃の髪を結っていたところを目撃して、妻の髪の毛が触られたのがイヤだったんですよね。そんなことで嫉妬するのってかわいいんだけど、地獄のまーくんにカワイイ発言は違うような気がして表現できません。(汗)

 自分の妻が他の男に「丸坊主にしてしまえ!」なんて言われたらそりゃまーくんでなくとも怒りたくなりますよね。「明日、バリカン持って登校する。」と言った一馬が、翌日冗談でも本当にバリカン持って学校へ行こうとしたのが笑えます。本当に使わなくても隠し持っていたことは間違いなさそうな気がして怖い…



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 翔馬が文乃のこと好き? 本人は真っ向否定でしたが、読者的にも次第に心を許しつつあっても「好き」という気持ちとは違うような気がしてます。ただ、翔馬も重要位置だし、同級生だし、先生の弟だし、ということで予想できる展開でしたので、とうとう翔馬が動き出したかという感じはします。

 文乃のことを好きだと翔馬に教えたのはメグ。メグは翔馬のことを好きなのに、翔馬の気持ちを確かめるかのように好きな人を別の女性と一緒にいさせる彼女の考えはよくわかりません。メグは自分はすでに告白しててもう動くことはできないから耐えてるだけで、好きな人が好きなようにするのがいちばんということなのか。それでも好きな人が別の女性を好きだったらメグも辛いよね…

 ラスト付近で翔馬が文乃にキスした!? 翔馬、魔が差してしまったのか? 文乃もわけがわからずで先生の胸で泣いちゃうし、その一部始終を鉄兵が見てまーくんに話してしまって、いよいよ先生と翔馬の文乃を巡ってのバトルが動き出すか。最近マンネリ気味でしたが、この物語は展開が大きく動くと面白いことになります。



 [ love.36 ]

 文乃が翔馬にキスされたと知って気が気でない尾白先生。そんな中、文乃が翔馬に強引に遊園地デートに誘われ、先生はメグや鉄兵も巻き込んで一緒に遊びに行くんだけど、外ではやはり翔馬が有利で先生はお手上げ状態。外で「先生」なんて叫ばれたら一馬はどうしようもできません。翔馬は文乃を連れまわして遊園地楽しんでるようですが、以前だったら文乃とで先生と取り合う関係だったのに、今は文乃を巡って先生と翔馬が絡むという逆転現象に。

 でも、翔馬が一体どうしたいのか、どんな気持ちなのかまったくみえてきません。いつもなら、兄に近づく危ない女としていやがらせされるのに、今日は文乃に嫌がらせしているのとは違う雰囲気で、逆に兄に対して意地悪しているように見えてしまいます。でも、翔馬が文乃を好きかとどうかははっきりとわからないので、なんのために翔馬が一馬や文乃を連れまわしているのかわからず。まさか、本当にキスしたかどうかを教えるためだけの単なる意地悪で終わってしまうのか…

 でも、このまま翔馬にやられるわけにはいかない尾白先生。カップルイベントのお化け屋敷に文乃を助けに行って連れ戻してきました。ただ、真っ暗い中で文乃が翔馬を先生と間違ってしまったことに先生がついに怒ってしまい、強引に連れ去った感じですが。しかも、お化け屋敷でお化けさんに用具を借りるさまは地獄のまーくん健在で、リアルお化けより迫力があって怖い… ていうか、おばけに用具を借りようとする思考がすごい。お化けもびっくり。(笑) やはり地獄のまーくんは無敵なのでしょうか。



 [ love.37 ]

 文乃をめぐってついに一馬VS翔馬の兄弟対決!翔馬が初めて出てきた時点でこの展開は絶対出てくると思いましたし、見たかったので個人的には気に入っています。落とし前をつけようと翔馬にキスしたか詰め寄る一馬ですが、たぶんキスしてもしなくても、どっちにしても殴ったでしょ。(笑) キスしてなければ遊んだことに対して怒るし、もしキスしてたら本気で怒り狂って殴っていたと思います。

 結局、一馬が落とし前をつけるどころか、二人のケンカを見た文乃が間に入って収束させてしまうカッコ良さ。(笑) さすがブンちゃん、男前!一馬と翔馬がカッコ悪くなりましたよ。(笑) でも、最後に翔馬に対して、「欲しかったら正面から奪いに来いよ。」と言い放った一馬から、文乃は誰にも渡さないという意思や自信の表れがあってカッコよかったです。やっぱりヒーローがカッコ悪いまま終わるわけないですね。
 いちばん情けなかったのは、キスしたのはうそで、しかも一馬がコンタクト外れてて命拾いした翔馬。でも、翔馬の中にも何か変わり始めたところがあるのかも…?

 家に帰ればいつもの尾白家ですが、ケンカして先生を叱る文乃の姿なんて最初の頃では想像できず。形勢逆転の展開もみえてきて、これが何十年後なんかになれば、まーくんがどこかでケンカしたら彼を叱責する文乃が想像できそうで、ひょっとしたら将来一馬は文乃に頭が上がらなくなっていたりして……(笑)