センセイと私。
 シリーズ…フラワーコミックス
 著者…水瀬 藍
 出版社…小学館
 巻数…全4巻
 発売年…2009年〜
 掲載誌…Sho-Comi
 参考リンク…小学館コミック




■ ストーリー ■
 高校1年生の吉野遥香は、姉の代理で女子大生のフリをして合コンへ行くが、危険な男の人達に連れていかれそうになる。あぶないところを助けてくれたのは、国広篤哉という男性だった。惹かれ合う二人はまた会おうと約束するが、後日、篤哉は産休代理で遥香の学校に赴任しクラス担任に。国広先生は「忘れなさい。」となかったことにしようとするけれど…


■ 総評 ■  ★★★☆☆

 先生と生徒として出会う前に会って、学校で再会して、先生は遠ざけるけどやっぱり無理で、付き合ったら元カノや同級生のライバルが登場する。最初から最後まで先の読める良くも悪くも王道の内容でした。先生生徒モノの中でいちばんフツーな感じ。途中先生の記憶喪失など、ちょっと予想できない展開もありましたが、こういう典型的な少女漫画は基本ラブラブで途中の障害や壁を二人の固い絆で乗り越えるという、オーソドックスなお話です。小学館の先生生徒モノは先生が生徒にメロメロで内容もいちばん王道。同じ小学館の「おとなの時間」と似たような世界ですが、こちらの方が好感持てます。

 先生のキャラクターに大きな特徴がないし、遥香も今までのヒロインの中でもないくらいにとにかく純粋。どちらもフツーのキャラクターで目立つことはないんだけど、そのフツーっぽさが身近に感じられて感情移入はしやすいです。

 キャラクターにしても内容にしても、どれをとっても平均的な出来で無難なところです。こういうのがいちばん感想書きづらいだけどね。^_^; 純粋にラブラブな先生生徒モノを読みたい方はまずこの作品を読んでみるといいかもしれません。



■ 登場人物 ■
 
吉野遥香
 高校1年生。恋には奥手。
 
国広篤哉
 遥香のクラス担任。英語教師。
 
矢島栄人
 遥香のクラスメイト。遥香が好き。
 
佐貫亜子
 遥香の親友。栄人の幼なじみ。
 
北原アキラ
 遥香の学校の先輩。篤哉の元カノ。
 
明智拓海
 遥香の学校の先輩。遥香が気に入る。
 
安藤良太郎
 国広先生の友人。化学教師。


※ここより下はネタバレとなっています。了承したうえでお読みください。


 1巻  2009年1月26日 発売

 [ 第1話 ]

 フツーの男女の出会いをして恋をして、後日、ヒロインの通う学校に相手の男の人が先生としてやってくるという、先生生徒モノでいちばん王道なつかみ。「世界はハッピーでてきてる」もこんな感じだったな。やはり小学館はいちばん少女漫画らしい内容。
 相手が生徒だと知ったら「生徒は恋愛対象外だ。」と先生は女の子を突き放して、もちろんそれに納得がいくわけもなく、どうしていいのかわからない。風邪で倒れた遥香の様子を見に来た国広先生が遥香にキスするなんて、先生の気持ちがみえみえで、あとはどうやってくっつくかだね。(笑)

 ヒロインの遥香は可愛いけど、いかにも恋愛初心者という雰囲気とか出てる。まだあどけない感じで、ピュアそう。



 [ 第2話 ]

 生徒は恋愛対象外と言われても自分にキスした国広先生の気持ちや、先生に告白するという周りの女子生徒のことが気になる遥香が、先生が好きだという気持ちがどんどん大きくなってる。国広先生は遥香への気持ちがあるということは読んでいてよくわかりますが、やはり教師という立場を利用していただけで、本当は遥香のことが気になって仕方ないという、予想通りの展開に。くっつくのは時間の問題かな。

 一方で、クラスメイト・矢島栄人との仲も今後の気になる展開に。前回、保健室で寝てる遥香にキスしていましたが、オリエンテーションで遥香を花火に誘う栄人はやはり遥香狙いでしょうか。二人きりでと望む栄人に対して友だちの亜子を誘おうとする遥香の鈍さが、彼女の恋愛経験がないところとか、先生への気持ちだけでいっぱいいっぱいなんだけどすごく今の恋に一生懸命なんだなと。



 [ 第3話 ]

 初めてのデートでどこへ行ったらいいのかわからないとか、キスにドキドキするだとか、初デートにお弁当を作るのが夢だったとか、遥香の初恋が伝わってきます。遊園地とか動物園がデートじゃ子供っぽいって思って水族館になったけど、遥香と国広先生なら動物園がお似合いかも。やっぱり水族館は河野先生とシーナにオススメのデートスポットだよね。♪(*^_^*)

 
「先を見るより今目の前にいるお前を全力で守りたいと思っている。」という国広先生の言葉がカッコいい。ずっと一緒にいられるかと遥香に聞かれてもはっきりイエスと答えない国広先生。でも、それは決して遥香とのことを考えていないということではなくて、不確かな未来を簡単に約束して守れなかったり不安にさせるようなことはしたくない、という遥香を想ってのこそ。そういうものに縛られるんじゃなくて、とにかく今、遥香と付き合っていくことを大事にする。そしたらそれがいつか永遠になるかもしれない。国広先生はそういうことを言いたいんだと思います。きっと遥香が信じていれば今が永遠になるでしょう。
 「俺と付き合って欲しい。」と交際を申し込んだのもまたカッコよいです。だいたい気持ちが通じ合って相手のちゃんとした告白もなく自然な流れで恋人同士になる漫画も多いですが、国広先生が遥香にちゃんと告白したところは好感持てます。



 [ 第4話 ]

 栄人が徐々に物語に関わってきて、いよいよ遥香と国広先生の物語も動き出して面白くなってきました。デートの帰りの遥香と国広先生らしき人を見てしまい、学校でも二人でいるところを見て、遥香の発言から栄人の疑惑がだんだん確信に変わってる。そんな中でついに栄人が遥香に告白。しかも先生&クラスメイトの前での公開告白。予想通り、栄人は遥香ラブでしたね。遥香が先生から貰った指輪を落としてしまい、それを拾ってしまった栄人くん。もちろん遥香に返すはずがなく、落としたことに気付いた遥香もパニック。好きな人が落とした持ち物を黙ったまま持ってるってこと、少女漫画にはよくみられる話です。イジワルすると言ったら持ち物を隠すという作中のキャラクターの思考は定番なのか。(笑)

 そんなこととは知らずに国広先生との幸せに喜びを感じる遥香がカワイイです。今きっと遥香の中では学校という場所が別世界のようでキラキラしているんじゃないかなと思います。先生に会いたいから早く学校に行く、学校がそんな楽しいところになるなんて現実にどれくらいの生徒がいるだろうか。二人だけの教室でイチャイチャするのは先生生徒モノでは欠かせませんね。遥香がネックレスにつけてる指輪に照れる国広先生もまたイイ。

 好きな先生の教科が自分の苦手教科というのは痛い…。(涙) 国広先生は英語教師で、英語が苦手な遥香。これは「キスよりも早く」のブンちゃんと同じ。ブンちゃも英語が苦手で相手役の尾白先生も英語教師だったな。
 英語教師の先生を好きになるというのは、私の高校時代を思い出すよ。私も英語の先生に憧れていた時期があったね。ただ、漫画のヒロインとは逆で英語はもともと得意科目だったので先生のおかげで英語も好きになったとか、先生のおかげで自分の将来が変わったとか、そういうドラマチックなことはなかったですが… それでも、成績下がらないように英語だけは高校時代頑張ってたな。(笑)



 [ 第5話 ]

 遥香に告白してあっさりフラれた栄人を哀れに思ってしまったけれど、栄人が食い下がってきました。かっこよかったんだけど、「嫌だ嫌だ嫌だ!」と連呼するのが子供っぽかった。(笑) でも、水瀬先生も言っていたけど、栄人の子供っぽいところがイイですね。栄人は今のところ読んでいて嫌いになるようなキャラクターではないです。
 国広先生に遥香との関係を知っていると白状し、早くも国広先生VS栄人のバトル勃発ですが、大人と彼氏の余裕で栄人を交わしました。本当はヤキモチやいて気が気でないけど、恥ずかしくなるような彼女を想うカッコいいセリフを吐く先生にキュンとなります。小学館の漫画って読んでも恥ずかしいセリフが相変わらず多いですね。栄人が告白して騒然とした教室に、出席簿をたたいたあれはやっぱり嫉妬?

 栄人に告白されて誤解を解きたいけど、そこは学校だからすぐに誤解が解けないのは先生生徒だからね。この遥香の行動なんかは読んでいてわかりましたけど。良くも悪くも少女漫画の先生生徒モノの王道を今のところ行ってる感じで先が読めます。

 遥香の初恋を応援する亜子の存在がイイ。教えてといいながらも遥香が言う時までまってくれるという亜子の優しさ。でも、遥香ってば言えないと言っておきながら彼氏を探しに行くと亜子と別れ、それじゃ「彼氏が学校にいます」と言ってるようなもんで、読者も亜子と同じ気持ちになったことでしょう。吉野ちゃんって鈍いうえにおっちょこちょい?物もよく落とすみたいだし… 大丈夫かなぁ〜。


 2巻  2009年4月24日 発売

 [ 第6話 ]

 栄人と遥香をくっつけようとする栄人の友人の画策で、栄人とふたり倉庫に閉じ込められるけど、遥香は先生しか見えてない。倉庫にいるのが栄人とは知らずに騙されて先生だと思って栄人とキスしちゃったのも、それくらい先生に夢中なんだね。キスを大事にするなんてカワイイねー。ただ、栄人とキスした後に口をごしごしこする遥香に笑ってしまった…(笑) いくらなんでもあれじゃ栄人がかわいそうだよ。
 二人のハラハラドキドキの展開をする間もなく、遥香を救出に来た先生。遥香から栄人とキスしてしまったことを聞かされた先生のびっくりのような顔。やっぱりショックか。栄人の前で遥香に堂々とチューするなんて先生たら大胆。この時、先生の中でも遥香のことしか見えてなかったんだと思うし、栄人に見せつけているようにみえてしまった… 栄人もいるのに二人だけの世界ですよ。
 先生にキスしてもらった後の遥香の顔がすっごく笑顔で幸せそうでした。それをみた栄人の顔が悲しいというよりもさみしいように見えました。そして、あっさり遥香を先生に譲ることに。最後には今は友人でガマンしとくと去っていた時はさわやかな顔でしたが、亜子のところにもどってきた栄人の顔がすごくつらそうで、私もちょっと悲しくなりました。亜子に「早く大人になりたい。」とつぶやいた栄人の気持ち、負けた男という感じ。自分じゃ遥香にあんな顔はさせてあげられない、栄人のそんな思いが伝わるようでした。がんばれ、栄人。でも、栄人との関係があっさりと決着ついてしまったということは、栄人の主な活躍はここまでなのが残念な気も。こういうタイプは、今後はあんまり目立たず地味に動きますからね。

 栄人がいなくなった後は、もうベタベタ甘甘な二人に。栄人に返してもらった指輪を遥香の指にはめたり、キスしたり。シビアなシーンのあとの甘い展開は少女漫画のお約束か。先生に家まで送ってもらった遥香が、先生ともっと一緒にいたいと「ぎゅっとして」とねだるのがカワイイ。遥香はもっと先生のそばにいきたいと深い意味もなく言ってしまったけれど、先生としては嬉しい言葉でも戸惑ってしまう。「理性とびそう。」という先生がガマンしてるのがよくわかるよね。もう先生生徒モノに出てくる先生の試練ですね。



 [ 第7話 ]

 7話は始終ラブラブな遥香と先生でした。遥香、先生のおかげか英語が少し良くなりました。ご褒美に携帯電話を買ってもらえて、早速先生に電話。先生も電話待ってたなんて、最近は先生の方が遥香にメロメロなんじゃないかって思います。ところで、遥香の着メロってなんだろう?効果音?
 栄人との関係も前みたいに仲良しの友達として付き合ってるようで、栄人ってばいいやつ。栄人のためにも遥香には幸せになってもらわないとね。

 先生が風邪をひいて看病することになった遥香でしたが、ここでも理性と闘う先生と、遥香のピュアさが大爆発です。遥香は大好きな先生の看病ができるってことで嬉しくて、でも先生とラブラブになりたくて先生に近づくけど、先生は触れたくても大人のガマンで手が出せない。
 そんなこと遥香が知るはずもなく、寝てる先生にキスしたり。先生ってば寝ぼけているとはいえ、遥香をギュってしたところまではよかったんだけど、目を覚ませば隣りに遥香が寝てる。これは大変!(笑) 理性が崩壊しかねない。急いで遥香を帰そうとするけど、看病したい遥香と口論になって、遥香が飛び出していく。その後の先生のセリフが、もう先生限界に近い感じみたいでした。そうは言ったものの、雨が降ってきて遥香が気になる。そしたら、遥香が戻ってきて、先生の部屋に泊まりたいというもんだから遥香を抱きしめてしまいました。先生の理性がピンチ?というか、もう限界超えた?風邪引いて意識が朦朧としているのか?



 [ 第8話 ]

 先生、やっぱりガマンが効かず理性崩壊!遥香をベッドに連れ込んでしまいました。途中まではいい雰囲気だったんだけど、遥香の中ではまだ心の準備ができていなくて怖いと思ってしまい、遥香のそんな顔を見た先生が正気に。ということでおあずけ。やっぱりそうなりますか。恋愛初心者のヒロインは絶対こうなりますね。遥香が泣きそうな顔して、先生は「泣かせたいんじゃない。愛したいんだ。」 ずしんと来るセリフでした。しかも、合鍵まで出てきて、先生とのラブラブはどんどん加速。遥香、とっても先生に想われてます。

 前半はラブラブな感じでしたが、後半ラストには一抹の不安を残すことになる新展開で、新たな二人の登場人物。バイトすることになった遥香の店先の先輩・明智くん。同じ高校の先輩でもあります。そして、もうひとりが、店にいつもやってくる北原アキラという美少女。彼女も遥香や明智先輩と同じ高校に通ってる。19歳で高校留年しててというワケありですが。同じ高校ということですっかり意気投合した3人。うーん。いかにも漫画。ここまで揃うと何かあるぞ。
 遥香と一緒に再び学校に現れたアキラですが、なんと、国広先生と知り合い?先生、アキラという名前を聞いて顔色が変わりました。ふふふ。これはまさかまさかの展開でしょうか。



 [ 第9話 ]

 今までラブラブな展開で安心していたのもつかの間、いっきにシビアになりました。北原アキラという美少女、なんと先生の元カノ。先生が大学生の時に付き合っていたんだそう。元カノ登場はセオリー通りですが、まさか同じ学校の生徒がライバルだなんて。遥香とは容姿も性格も違いそうなんだけど、共通してることとして相手が10代。先生まさかロリコン?
 先生と再会して未練タラタラなアキラは積極的に先生を振り向かせようとしますが、先生の中ではすでに過去。先生が今愛しているのは遥香だけ。準備室でのアキラとのことを見られた先生が遥香の手を取り「たった一人の愛している女がいる。」と言ってるけど、なぜかそれが遥香のことだと気付かないところが疑問。

 寝言で遥香が先生とのことを言っていることを明智先輩に聞かれたり、先生からの着信履歴があるケータイをアキラに見られたりで、二人の関係があっちでもこっちでもばれるという先行き不安な展開になってきました。



 [ 第10話 ]

 アキラって勝手でワガママだな。国広先生のことがまだ好きで、それは遥香も同じなのに、遥香に国広先生と別れるように迫って、遥香なら他に新しい彼氏くらいいくらでもできるでしょ、とか、そんなことなぜアキラに言われなければならないのか、だよね。それを言うなら、遥香よりも大人っぽくて美少女のアキラの方がよっぽどできそうだと思いますが?
 国広先生は大学生の時にアキラの家庭教師をしていて、アキラの親は不仲でいつもひとりぼっちだったアキラを救ってあげたかった。なのに、アキラは変わらなかった。アキラと先生の会話を聞く限りではアキラが先生の思いを裏切ったみたいな感じがするんですが。それを強引に今の彼女から奪おうとするなんて嫌な感じだわ。

 遥香と仲直りしたいというのも何か怪しいなと感じましたが、やはりワナでした。遥香をあぶない男の人達に渡して、旅行に行く先生と遥香を引き離しました。こえー!危険なところを助けてくれたのはなんと明智先輩。明智先輩も少しずつ遥香に絡んでますが、このままでは終わらないような気がします。



 [ 第11話 ]

 出たよ〜、記憶喪失ネタ。\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ? マンションから落ちそうになったアキラをかばって、先生も一緒にマンションから転落。アキラはケガしたものの助かったのですが、先生の方は頭部損傷による記憶喪失。記憶が混乱して、最近会った人を取り間違えるらしい。案の定、遥香のことを覚えていなかった国広先生。アキラのことは覚えていたし、しかもアキラが好きだった頃に近い先生になって、遥香の目の前でアキラを抱きしめて、これはつらい… 遥香がかわいそうだよ… 記憶喪失で相手が不幸になったり泣いたりするのは読者も胸が苦しいよ。(涙) 先生の記憶が戻りますように。―

 記憶喪失ネタに、またかと思いました。先生生徒モノで記憶喪失ネタがいくつかありました。個人的には記憶喪失の話は好きではありません。なんでかって言うと、記憶喪失になることはよいとして、問題は記憶が戻る時なんですよ。あっさり戻ってしまって腑に落ちません。実際になったことないし、周りにもそういう人いないし、実生活の中で記憶喪失なんてそうあるもんじゃないから実感がないし、記憶が戻る時というのがよくわからないので、感動とかがありません。国広先生はどうやって記憶が戻るのかな。


 3巻  2009年7月24日 発売

 [ 第12話 ]

 先生の記憶を取り戻そうと頑張ることに決めた遥香ですが、まだまだ国広先生の中で遥香の存在を思い出すかけらもありません。遥香は自分たちとのことを国広先生に話しますが、先生は「別れよう。」と記憶の混乱の中言う。「生徒と教師が付き合うなんて間違ってる。」 たしかにそうなんだよね。でも、恋してる本人たちには止められない。記憶喪失になってる時に初めて自分たちの過ちに冷静になるのも悲しい…

 遥香の中では自分を忘れてく先生に身も心もきっとボロボロなはず。そんな遥香の心を明智先輩が利用した?明智先輩、ピュア系は苦手と言っておきながら、遥香に急接近か。なんだか遥香にお酒を飲ませて寝ているところを襲おうとしてましたが、明智先輩も遥香狙いになったのでしょうか。ピュア系恐るべし。



 [ 第13話 ]

 おいおい。記憶がもう戻ったのか。遥香を振っておきながらも、遥香の留守電を聞いたりして、何かを感じ始めた国広先生。自分が何か大事なことを忘れてる。そうそう。忘れてるよ先生。記憶が混乱している中でも、本当は遥香とのことを聞いて嬉しくて、遥香との関係を探そうとしていた先生。気が付いたらあの噴水の公園に来ていたのも、遥香との思い出がまだ記憶の片隅に少しでもあったから。だから、アキラを間違えて恋人だと思ってしまった。噴水の公園で遥香と出会った頃などいろいろ思い出し、遥香との記憶が戻ってきました。先生の復活に早いと思いつつも、記憶喪失で苦しむ姿は辛いので、先生が戻ってくれてよかったと喜んでおります。

 アキラは記憶喪失でもウソでも遥香と間違えていても、国広先生が自分を愛してくれることに幸せを感じる。転落したことは予想外だったとしても、先生が自分を愛してくれてるってことで結果オーライ。でも、そうやってでも幸せを手に入れたいアキラはさみしい女だと思うな。

 先生との記憶は戻ったけど、その直前に明智先輩に抱かれてしまった遥香。いやぁ〜、男としてその手は卑怯でしょ。でも、先生でいっぱいの遥香が振り向いてくれるのは難しいので、とくに鈍い遥香にはあのくらいしないとダメでしょうね。
 でも、なんだか嫌いになれない明智先輩。意外と遥香とお似合いかもなんて。読者にも人気だそう。明智先輩が絡んでくるのは面白いですしね。携帯に登録されてる女友達のメモリを削除し、遥香に本気になったか。栄人よりは手強いぞ。



 [ 第14話 ]

 アキラとの関係に決着がつきました。記憶喪失になって知った国広先生の、以前とは違う優しさ。自分と付き合ってた頃よりもずっと優しくなって、それは遥香が変えたということ。ということで、アキラはようやく国広先生をあきらめる決心がついたようです。アキラの去り際はいい顔してましたね。よかった〜。

 先生がやっと自分のこと思い出して嬉しいはずなのに、明智先輩と関係をもってしまったことに罪悪感を感じる遥香。いくら無意識だったとはいえ、消せない事実ですから。でも、先生は遥香を責めることはしないで、自分で傷ついていた遥香を優しく受けとめ許してくれた。先生が遥香のこと大事にしすぎてるのがキュンとなるよ。
 明智先輩は記憶が戻った国広先生に遥香を抱いたこと言っちゃったし、遥香は自分がもらう宣言して、明智先輩がいよいよ本格的にライバルとなる動きをみせてきました。学校で遥香と先生が二人でいるところに乗り込んで、明智先輩の言動がとっても気になる終わり方に。栄人の時より面白い展開だな。



 [ 第15話 ]

 国広先生VS明智先輩のバトル。先生、明智先輩が遥香にお酒を飲ませて犯したことで相当憤った感じですね。その後も遥香に接触しようとするとけん制に入り、いくら相手が生徒であっても好きな女のこととなると見境なくなってきてます。教師だろうが生徒だろうが関係ないんですね。
 先生は待ってくれたのに、自分は明智先輩としてしまったことによって先生の気持ちを踏みにじった。遥香ってもともとそういうタイプではなくあくまでもピュア系で、でもそれがちょっとした間違いが大事になってしまい、こういう子のそんな姿を見るのはつらい… でも、先生は許してくれたんだからいつまでもウジウジ悩むこともないのに。それだけ遥香の中で重要な問題ってことか。

 明智先輩とのことで悩み苦しむ遥香に先生からの「君を愛してる」という告白メール。こういうのってすっごくドラマチックで乙女は好きかも。いかにも感動を誘う演出だなと思いつつも、とってもキュンとなってしまうものです。
 それに応えるかのように遥香が自分の身体をすべて先生に委ねようとしようとしたところにはちょっとびっくり。ずいぶん大胆な行動に出たなと。水瀬先生もおっしゃってましたが、こんなことあんな状況でなかったら遥香にはもうできないよね。遥香はまた忘れてくださいって言っても、先生は遥香が可愛くてずっと憶えてそう。(笑) さて、どうなる?



 [ 第16話 ]

 自分のすべてを先生にもらってほしいとショーツ一枚の姿になった遥香だったけど、部屋の電気をつけられて恥ずかしがったり、一緒に風呂に入ろうと言われてパニックになったりで、まだまだエッチとかそうことに覚悟ができてなくて勢いだけで言ってしまったんだろうな。
 先生はドキッとしたものの、結局遥香のこと大事にしすぎて抱けなくて、それでもちょっとイジワルしてみたくなったりで、先生のキャラもなんかいいです。でも、ここでエッチしてしまう展開も見てみたかったような。
 恥ずかしがる遥香にシャツをかけてあげる先生。こういうのいいですよね。大事にされてるってわかる。こういう彼氏のぶかぶかのシャツを彼女が着ているシチュエーションってすごく好きです。彼女の特権って感じで。♪ある意味女の子の夢。

 明智先輩とのこともしっかり答えを出した遥香。明智先輩って女の子好きのキャラかと思ったら、そうでもなくて、遥香がはじめて相手だったそうでちょっと意外?でも、本当はただお酒を飲んで酔った遥香はそのまま寝てしまっただけで何もなかったという。でも、あれはあきらかにやってしまう感じの描き方で…
 遥香が泣いて苦しむ姿は見たくないと言っても、自分も遥香を泣かせてしまっていることに気付く。遥香には本当に国広先生しか見えてません。でも、明智先輩は先生のことで辛い思いをした時にそばにいて慰めてくれて応援してくれた。だから先輩に感謝する遥香。結局、明智先輩はいい人でしたという終わり方になりました。

 明智先輩とエッチしてなかったとわかって思わず廊下で「してなかったの。」と叫んでしまう遥香に苦笑い。そんなところでそんな誤解を招きそうな微妙な言葉を発するなんて… 「あやうく抱きしめそうになった。」先生も危ないって。(^_^;) でも、周りのこともみえなくなるくらいホッとしたというか安心したんだろうな。やっとこれで平和が戻って来た、そんな幸せなエンディングで16話終了。と思ったら、またまた国広先生の知り合いと思われる人物が。今度は男ですが。栄人や明智先輩と争いましたので、もう恋のライバルはないと思いますが…


 4巻  2009年11月26日 発売

 [ 第17話 ]

 国広先生の高校時代の親友・安藤良太郎先生が赴任してきて副担任に。ふとしたきっかけで安藤先生に国広先生のことが好きだとバレて、さらに遥香が彼女であることも知られてしまいましたが、まさかの反応で二人が付き合ってることに反対。たしかに教師と生徒が付き合ってるのは世間的な常識でいったらタブーですが、親友なんだから応援してあげてもいいのに。すごく真剣に反対してました。
 おまけに、亜子にもやっと先生との話せると思ったら、遥香と先生が付き合ってるという内容が黒板に書かれてて亜子が「そんなことない。」と猛抗議。ということで、今度は恋のライバルということではなくて、いちばん応援してもらいたい親友から祝福されない恋。今度は友情メインか。でも、フツーに生徒のいる前で恋人みたいな会話をする国広先生と遥香。あぶないぞ。

 遥香のいないところで人に「素直で真っ直ぐでかわいくて仕方ない。」なんて、あんなふうに言われていたら遥香でなくても赤くなってしまうよ。あんなに先生に愛されてる遥香は幸せ者です。



 [ 第18話 ]

 遥香の初恋を応援してくれる親友の亜子に反対されてつらい遥香に私も胸が痛かったけど、実は先生との関係に気付いていて、みんなの前で否定したのは遥香の秘密を守るためだったいう、亜子の優しさに助けられてホッとしました。
 しかも、亜子の好きな人は栄人だということが判明。こっちの恋はどうなるかまったくわかりませんね。栄人はそれまで遥香が好きだったわけだし。それに、栄人が親友の遥香が好きでも遥香とフツーに親しくしてる亜子がすごいと思いました。

 一方の安藤先生は、相変わらず二人の交際には反対で、国広先生の本音を聞き出そうとする。先生ってばやっぱり期待を裏切ることなく遥香と付き合ってることを話し、しかも遥香にプロポーズしちゃいました!かっこいいなぁ。遥香のこと隠さないし、心の底から遥香を愛してるような言葉に国広先生の男らしさを見ました。
 「遥香、俺と最後の恋をしよう。」と、先生がついに遥香と名前で読んだことに感動。今までずっと吉野だったから。遥香にとっては最初で最後の恋だよね。ステキ。そういえば、この物語の登場人物はみんな吉野とか吉野ちゃんって呼ぶんだよね。親友の亜子も吉野だし…
 安藤先生は国広先生が遥香のことを本気で愛しているとわかり、二人の恋を応援することに決めて、この問題はとっても簡単に片付きました。あんなにお互いを想ってるに引き離すなんて、それこそ悪者ですよ。(笑)



 [ 最終話 ]

 前々回・前回と遥香が2年生になってすぐの物語だったのに、あっという間に遥香が卒業。(笑) 空白の2年が気になるなー。まぁ、ラブラブだったんだろうけど。その間に変わったことと言えば、遥香が英語が学年トップの成績になったということ。すごいな。1年の時テストで10点台だったのに。小さいころから積み重ねでやってる私でもクラスで1位取ったことあったけど学年は最高で3位くらいだったのになぁ…
 大学の合格発表に来た遥香に、またしても国広先生とふたりだけの世界でラブラブで、本当にこの二人そこが学校だってこと忘れてるよね。

 卒業式の話は丁寧に描かれてて良かったです。感動でした。式の最中に隣りの人としゃべってしまうとか、私もあったなぁ。私の隣の人は男子だったんだけど、その人がけっこう面白い人で、式の最中なのにボソボソと面白いこと話してたので必死に笑いをこらえてたこと思いだしました。
 栄人と遥香ってそういえば出席番号前後かな。「やじま」に「よしの」だから。二人が卒業式で横に並んでたのでふと思いました。

 栄人の面倒をみてあれこれ世話する亜子って栄人のお母さんみたいだよね。その栄人と亜子ですが、栄人は亜子が好きだとはっきりし自覚してなくて、もう少し時間がかかりそうです。この物語で幸せなのは遥香と国広先生だけかぁ。

 遥香と国広先生の関係は最悪のカタチでバレることはなかったんだけど、最後に国広先生自らクラスの生徒たちの前でカミングアウトするというオドロキな行動に。せっかく安藤先生や亜子や栄人が秘密にしててくれたのに。(笑) でも、正々堂々と言った先生は恰好よかったです。しかも、亜子や栄人の働きかけで、クラス中だれも口外しないという祝福ムードで幸せだよね。
 最後にだれもいない教室で先生が改めて遥香にプロポーズしてキスして終わるという、超ハッピーエンドで、とっても幸せな気分で読み終えることができました。でも、まだまだ物語は続くぞ。



 [ センセイと私。 〜卒業旅行〜 ]

 実質的な最終回は前回で、この卒業旅行編は番外編になるようですが、卒業してすくくらいの物語なのでそのまま話が続いてる感じです。タイトルにあるように、遥香、国広先生、栄人、亜子、アキラと卒業旅行に行くお話です。

 先生とまだエッチもしていない遥香を先生とふたりきりにしてあげようとアキラと亜子は気を遣います。最初はみんなと旅行に来れて楽しいとか相変わらずピュア系炸裂してましたが、アキラが遥香の背中を押して、遥香も覚悟を決めます。空気読めない栄人はトランプでおおはしゃぎ。年頃の男女が仲良くトランプ。健全すぎる…。(苦笑)
 ところが、遥香が先生に触れようとするとなぜか遥香を遠ざける。これはもちろん、先生が相変わらず理性と闘っていただけであえて二人にならないようにしていたんですが、遥香が気付かないで男女入れ替わった風呂で男湯に入ってしまい、そこに先生も入ってきて、ついに先生の理性の糸が切れました。それはもうね。お風呂に好きな人と一緒に入ってたらガマンできるわけないよな。そしたら、遥香がついに先生を求めてきて、ようやく二人が結ばれました。卒業旅行編では遥香と先生を結ばせるというのが目的だったのかな。

 17話の冒頭以来出番がなかった明智先輩がちらっと登場。どうやらアキラと良い雰囲気になってます。栄人と亜子は相変わらず。先生と遥香はもうラブラブすぎるくらいでこっちが恥ずかしいですが、みんなと旅行と言っても国広先生はやっぱり引率者みたいでした。(笑)