近キョリ恋愛
 シリーズ…講談社コミックスDX
 著者…みきもと凜
 出版社…講談社
 巻数…既刊9巻
 発売…2008年〜
 ★現在別冊フレンドで大人気連載中!
 参考リンク…講談社BOOK倶楽部




■ ストーリー ■
 ひょんなことから担任の櫻井ハルカ先生と付き合うことになった天才少女の枢木ゆに。産休代理の櫻井先生が学校を辞めたらちゃんと始めようと約束するが、元担任が再び妊娠し教師を続ける。それでも二人の想いは止められず… 先生の軽率な態度から先生本人は苦手に感じているゆにだけど、さりげない優しさに次第に好きになっていく…


■ 総評 ■  ★★★★☆

 面白いです。面白いですけど、テレビのギャグやらネタのオンパレードでコントや喜劇を見ている感覚です。もちろん、シリアスで真面目でぐっとくるシーンの方がたいていですが、合間に飛び出すネタに、この漫画がいったいどんなジャンルに属しているのかわからなくなってしまうくらいです。

 ラブストーリーでありながら、基本はラブコメディで、内容はそうなんだけど登場するキャラクターもぶっ飛んでいる。天才ヒロインに世界一美しい教師、変態趣味の女教師に過度なナルシストのクラスメイトに元ヤンの親友、そして変人家族。まともな人間がほとんどいなくて成り立ってしまうのがすごい。
 でも、ふざけたようにみえるけど、作品自体の出来は良いし、シリアスな場面ではグッとくるし、マンガの面白さは発揮されていて、読んでいてとても楽しいです。



■ 登場人物 ■
 
枢木ゆに
 高校1年。IQ180の天才少女。
 
櫻井ハルカ
 英語教師。ゆに曰く「世界一美しい男」。
 
峰藤コウ
 ハルカの大学時代の友人であり同僚教師。
 
佐藤 咲
 ゆにのクラスメイト。超ナルシスト。
 
名波菊子
 ゆにの親友。元ヤン。
 
小南あずさ
 ゆにの初恋相手。


※ここより下はネタバレとなっています。了承したうえでお読みください。


 1巻  2008年3月13日 発売

 [ §1. 天才少女の恋 ]

 クールな天才少女×超美形男性教師ということで、これまでの先生生徒モノの主人公とは少し変わってます。ヒロインのゆには天才少女なんだけど英語だけが苦手。相手役の櫻井先生は超美形の英語教師。ゆには櫻井先生の容姿は世界一美しいと思っているが、振る舞いを不快に思っていて嫌っているというへんてこりんな性格が面白いです。

 櫻井先生の軽薄な態度に不快になりつつも、寒い日に自分に服をかしてくれて先生の優しさを知り、次第に意識し始める。一方のハルカちゃんこと櫻井先生も、ゆにも一生徒としか思ってないし、無表情なクールなところが気にいったけれど自分を心配してくれたりして、いつの間にか意識する。お互いいつの間にか気になる相手となって、早くも恋人に発展。ということは、二人の気持ちが通じ合うところがゴールではなくて、付き合っていく中での過程が描かれることになるのかな。



 [ §2. 天才少女のQ&A ]

 産休代理ってことでゆにとの付き合いを簡単に考えていたハルカちゃんでしたが、元担任がもう一人妊娠し、担任を続けることに。櫻井先生が学校出たらちゃんと恋人としてはじめようと約束した二人ですが、状況が変わったということでこれはどうするべきか悩む天才少女のゆに。本来の天才少女ならすぱっと答えを出しそうですが、ゆには稀にみる難問と言ってるので恋愛経験はあまりないと想像できます。

 ハルカちゃんは教師と生徒の関係でいようと、つまりなかったことにしようとしますが、憎くて離れたわけではなければ近くにいれば止められません。止められないものは仕方ない、やはりそうですよね。これはどの先生生徒モノでも共通する答え。

 自分のどこか好きなのかと尋ね「顔」と答えるゆにに、ゆにも他の生徒と変わらないということにハルカちゃん少し幻滅?ゆにならもっと自分のこと知ってると思ったのか。でも、足を負傷した自分にさりげなくしっぷを用意してくれる櫻井先生の優しさなど、嫌いだった櫻井先生の顔以外の認める部分も出てきたのかなと思います。

 それにしても、ハルカちゃんの周りには学校中の女子生徒が集まってきて、もはやハーレム状態。ハルカちゃんは他の先生のカッコイイとは違って、美形とか美男子という言葉が似合う男かなと思います。



 [ §3. 天才少女の初デート ]

 新キャラ登場。櫻井先生の大学の時の友人であり同僚教師の峰藤コウ先生。ミネフジコウ。ゆにも反応していたけど、ルパン三世の峰不二子そっくりな名前。やはり本人も峰不二子を意識しているのが笑えます。
 ゆにの櫻井先生との初デートに一緒についていくことになるんだけど、どうやら櫻井先生のこと好きらしくて、デートの遊園地でずっとハルカちゃんにべったり。最後にはゆにと観覧車に乗るハルカちゃんに置き去りにされたけど、それでも負げることなく、ゆにと櫻井先生ができていることを知ってハルカと別れなければバラすわよと脅しをかける。ここまではよくある展開ですね。

 変人タイプのヒロイン・ゆにですが、遊園地デートに赤ずきんちゃんのロリータファッションや、持ち物に名前を書くからと櫻井先生のおでこにも名前書くというぶっとんだ行動、さらには学校のお昼にサワラのムニエルを家で食べるように食器でナイフとホークという奇抜な行動を、視聴者と同じ突っ込みを作中のキャラでしているのが面白いです。しかも、ところどころに解説として注:○○○○―とテレビを見ているような感覚なツッコミも楽しいなと。



 [ §4. 天才少女の決意 ]

 欲しいものはどんなことしても手に入れるという峰藤先生の発言にもちろん櫻井先生のことかと思ったらすっかり騙され、なんと手に入れたいのはゆにの方でした。峰藤先生は美少女アニメのフィギュア集めが好きで、ゆにをリアルフィギュアとして手に入れるために狙っていたという衝撃的事実。ちょっと危ない女性!?

 変態趣味の峰藤先生に対し、ゆにの変人ぶりも負けず劣らず。ゆにのパンチラを狙う峰藤先生に、自分の履いていたパンツをその場で脱いであげてしまうという、フツーの少女漫画の主人公なら絶対にあり得ない行動。しかも、転んでしまってノーパン姿を櫻井先生に見られてしまって、「一生の恥です。もう結婚できません!! 両親に申し訳が立たないので死んでおわびを…」とか「殿方」とか、いったいいつの時代の女の子なのか…(笑) しかもパンツを脱ぐだけで度肝を抜かれたのに、そのパンツがクマさんの毛糸パンツという想像できないものでさらに笑わされるも、こういうのは女の子らしいものだなと。

 そういえばゆにはツンデレ少女であったなということを忘れそうになりましたが、先生から「結婚しよう。」と言われて、「してあげてもいいですよ。」と、ツンデレの方も好調。 これがゆにですね。でも、まさか櫻井先生がこんなに早くゆににプロポーズするとは思ってませんでした。パンツのおかげ?(笑)


 2巻  2008年8月11日 発売

 [ §5. 天才少女の誕生日 ]

 ゆにの誕生日編。2年に進級し、新しいクラスメイトとの親睦の意味でも大勢を呼んで誕生日会をするんだけど、迎え入れてくれたゆにの家族もユニーク。忍者の恰好をした母親に、天使の恰好で「悪霊よ去れ」と言う不思議な力がある弟。枢木家では家族の誕生日には仮装する決まりがあるという、家族の決まりごともちょっと楽しいというか変?でも、この家族にゆにが変人タイプなのも納得がつきます。(笑) ゆには実は楽しい子、と言うよりは楽しいを通り越して変人になってしまってるような気がしますが… 変人といえば今回は新学期初日から学校でモーニングティーでした。ゆにの行動には驚かされますね。

 誕生日の日、先生とも会う約束をしてしまい、誕生日会が盛り上がっているのでなかなかみんなに本当のことが言えません。が、先生はやってきてくれるのですが、もちろんみんなにはナイショの関係。そこで気を利かせたのが弟のるーちゃん。電気を消してバレないように櫻井先生がゆにを連れていけるようにするという、ドラマチックな展開。すごい子供だな。るーちゃん、見た目で判断しても小学生以下ですよ、たぶん。「でしゅ。」とかいう言葉遣いしてますから。
 昼間は教師と生徒だけど夜なら近づいても平気だろうと、夜の教室で恋人としてゆにの誕生日を祝います。キスシーンの絵がキレイでした。ゆにに指輪を贈った先生。「つけてちょうだい。」という相変わらずツンデレでお姫様のようなゆにちゃんでした。



 [ §6. 天才少女のお友達 ]

 また新キャラ登場。クラスメイトの佐藤咲クン。いきなり告白してきてちょっとびっくりしたと思ったら、異性としての好きではなく人として好き、いちばん好きなのは自分自身という実はナルシストな男でした〜。(笑) やられた〜!まさかクラスメイトまでも変わり者を登場させてしまうとは!読みが甘かった… お互い変人タイプってことですっかり意気投合。類は友を呼ぶ。(笑) ゆには自分を好きなのかと自意識過剰なうえ、自分は世界一美しいと思っているという、ある意味櫻井先生と似てる?ハルカちゃんはあんな露骨なナルシストではないけれど自意識過剰なところといい美形なところといい、似てないようで似てるような雰囲気も。

 先生に心も体も幼稚園児とか言われてショックのゆにが咲の協力でキレイなおとなの女性に変身しようとする。だけど、それは言葉のあやというかゆにに子供だと言われてムカついたとかそういうことだと思います。ハルカちゃんは今のゆにを好きになったわけで、大人になるのは時が流れれば自然となるわけですから背伸びなんて必要なしですね。



 [ §7. 天才少女のダディ ]

 ゆにのダディ登場です。強面で威圧あると思ったら実は怖いものが苦手で妙なハイテンションだったり。やっぱり父親もちょっと変わったタイプということで枢木家はそういう血筋なんだなと。マジックをするダディが山上兄弟のファンだったり、いきなり某CMをパクったコントのようなゆにとダディで二人の世界についていけず…(苦笑)
 しかもダディはゆにの結婚には大反対で、ゆにの指輪を隠してしまったり、学校で監視して櫻井先生と近づけないようにしたり、とにかく嫌がらせするというまるで子供… ダディの性格についていくのがやっとです…

 でも、娘を想う気持ちだったりそういうことが絡んでるシーンはやはり真剣。教師と付き合うことでゆにの可能性をなくしてしまうことや櫻井先生の女性遍歴などで娘を案じるところなんかはどの作品でも出てくる父親の心情と同じ。

 先生と結婚するというのをしてあげると親に言うゆにの認識は相変わらずで面白いし、親に先生との交際を報告したことに「人生の新たなる扉を開きました。」というメール文がちょっと他の人とは違うゆにらしい表現だなと思います。



 [ §8. 天才少女の優先事項 ]

 櫻井先生から結婚できなくなったと言われショックのゆにで悲しい展開が続くのかと思ったら、ゆにが見知らぬ男とデートして誘拐されるという、シリアスというか怖い展開になりました。でも、基本はラブコメディなのがこの漫画。誘拐はあくまでも内容の材料にすぎず、誘拐されてもその中で描かれる話はやっぱりコメディな雰囲気。途中、某マンガの主人公の名ゼリフ「お前はもう死んで○る」とか出てきてちょっと興奮しました。(笑)

 少女漫画のヒロインがプロポーズされたりするとすぐ結婚とか言って他にやりたいことはないのかと読者も思うところではありますが、それでも結婚だってひとつの選択肢ではあります。ゆには櫻井先生に一度別れを切り出されたことで結婚よりも一緒にいることだけでもステキだと気付く。最初は軽い気持ちでゆにと付き合い始めた櫻井先生でしたが、いつの間にか本気になって、ゆにもやっぱり先生が好きで、最後にはラブラブな二人が見られてよかったんだけれど、やっぱりいまだにゆにを見ても恋愛に慣れていない感じがするんだよなぁ…


 3巻  2009年1月13日 発売

 [ §9. 天才少女の修学旅行1/2 ]

 先生生徒モノで修学旅行といえば、二人で一緒にいたいけどやはり先生生徒だから一緒にいられない、というのがパターン。先生と一緒に写真を撮ろうと思っても撮れないし、咲クンが落としたカメラを水の中まで取りに行ったら風邪ひいて寝込んで散々のゆにだけど、ゆにが寝ている間にこっそりツーショットで写真取ったり、風邪の中自分を探しに来てくれたゆにに風邪がうつっても思い出がひとつ増えるという櫻井先生がステキでした。

 生徒から大人気のハルカちゃんですが、教師という立場をすっかり忘れて生徒と一緒に楽しんじゃってる。先生っぽくないんだけど、そういうサービス精神なところが生徒から親しまれるのかな。

 あと、びっくりだったのが、ゆにの親友・ナミと咲がカップルになっていたこと!元ヤン以外はとくに変わったところはないナミが、まさかナルシストの咲とできてしまうのは意外といえばそうだけど、テンション高かったりノリがいいところは似てる気がするのでお似合いといえばお似合いかも。



 [ §10. 天才少女の修学旅行2/2 ]

 修学旅行の自由行動でひとり旅をするゆにはやっぱりちょっと変わり者?いや、自由行動なんで何でもいいですが、そこでひとり旅の発想はなかなか考えないよな… ゆにのひとり旅の目的は京都で子供の頃を過ごした櫻井先生の思い出の場所に触れてみるということですが、普段見慣れない街に何の迷いもなく来れてしまうのはさすが記憶力がいいゆにだから?

 修学旅行なのになぜかひとり単独行動を取る櫻井先生。それを尾行するゆにと峰藤先生なんだけど、尾行の恰好が黄門さまと由美かおるのかげろうお銀?の衣装というのが笑えました。京都と言ったら太秦映画村で水戸黄門という発想かな。しかも、印籠を出すシーンまで再現。なんだけど、印籠を出す役目は格さんなのに、格さんどころか助さんも不在で、お銀?のゆにが印籠を出すところにハルカちゃんと同じツッコミをしてしまいたくなりました。(笑)
 でも、水戸黄門の衣装で尾行する方が目立つよね。(笑) 峰藤先生って、少女趣味でコスプレ好きでもあるのか。前回なんてゆにに舞妓のコスプレ要求してたし、少女趣味は相当なものか。

 で、なんで尾行していたかというと、ゆにがひとり旅している時に先生がミレイという女性と一緒にいるところを目撃し、その名前は先生の元カノで気になって再度尾行した、という流れなのですが、その尾行したミレイという女性は、先生の妹で櫻井美玲、京都で舞妓さんをやっているというオチ… 水戸黄門の真似してあんなに派手にやったのにね…(笑) でも、ここで先生の元カノの名前が出てくるってことはフツーに考えれば実物の元カノ出現も十分あり得る話。さて?



 [ §11. 天才少女のお宅訪問 ]

 ゆにが風邪を引いた櫻井先生のお見舞いに行く話を軸にしながら、先生を男性として意識し始めたこと、元カノの存在が気になるゆに、描かれることは主にこの二つ。
 先生の部屋に入って「ここから先は生徒としてじゃなく女として見るから。」のセリフやシチュエーションってドキドキしますよね。ハルカちゃん、看病してくれるゆににほだされたのか、体調悪くてどうかしてるのか、急にゆにを襲ってきますが、男女関係の方に関してはゆには慣れてないので先生を拒んでしまうんだけど、それって先生を男として意識し始めてるってことですね。
 でも、偶然見てしまった先生の過去の写真に元カノが写っていないことに違和感を覚え、そこから険悪なムードになってゆには帰っていきます。ハルカからしてみれば元カノのことは過去の話で、今はゆにだけを見ていると言ったのに疑うってわけじゃないけど話を蒸し返されてイヤになってしまったのでしょうか。でも、後の話でドン引きされたのかと思ったといっているので、自分を嫌いになってしまったのかという焦りもあったのでしょうか。

 すっかり峰藤先生に遊ばれているゆに。ナースコスプレして櫻井先生の家へ。それはハルカちゃんじゃなくてもげんなりですよね…(笑) よく男性が喜ぶとかマンガの世界では言ってるけど、ゆに場合は峰藤先生が仕組んだことだと分かっているので喜ぶよりはドン引きですよね。
 それからもうひとつが柳沢慎吾のものまね!パトカーの音真似してるやつね。ゆにのものまねやコスjプレもこの漫画のみどころのひとつになってきたゾ。



 [ §12. 天才少女の初めての感情 ]

 やっぱり出ましたねー。櫻井先生の元カノ・滝沢美麗。ミレイ違いでした。ハルカちゃんが高校生の時に付き合っていた先生です。美麗先生がやってくるとは知らず偶然の再会をした二人ですが、再会した時の櫻井先生の態度とか言葉が昔本気で好きだった人に言うセリフや態度かというくらい不自然なものでした。

 この漫画に出てくる人、ほとんどがどこか変わった様子があるタイプですが、美麗先生は怒ると豹変するくらい怖い…というやはり変人タイプで、ここまで揃うと変人キャラに驚きもしなくなり、また次も変人キャラなのか、どんな変わり者が出てくるのかワクワクする方が大きいです。

 元カノが出現すればヒロインは決まって不安に陥るパターンで、変人タイプ恋愛経験ゼロのゆにもこれは例外ではありませんでした。もちろんハルカちゃんがいま見てるはゆにだけですが、ゆにと美麗先生が転んで、「美麗」と思わず叫んで、ドキッとしました。この時、ゆには初めて「嫉妬」という感情を知ります。昔の女と言えども名前を呼び捨てにするのであれば、やはり昔はそういう仲だったとわかるからまだ気持ちがあるのではと気になりますよね。そういえば、ゆにはまだ櫻井先生に枢木としか呼ばれてないよね。


 4巻  2009年5月13日 発売

 [ §13. 天才少女の知らない世界 ]

 ゆにと美麗先生が同時に転んだ時、わき目もふらず美麗先生を助けた櫻井先生でしたが、これはゆにより重傷である美麗先生を助けた、ということで納得。だけど、やっぱり「美麗」と叫んでしまったことは気になるなぁ。
 それでも、不安になっているゆにの気持ちを察し、美麗先生にゆにと付き合っていることを話しとりあえず安心か。ただ、美麗先生はゆにと付き合うよりもっと前にくればよかったと意味深発言。うーん。これはやっぱり未練?口ではゆにを櫻井先生という悪の手から救えるのにという、ゆにの味方のような発言でしたが、それが本音だとは思えませんねー。

 学校で映画の撮影があって桜田レオという大物俳優がやってくる。その時櫻井先生の様子がおかしくナーバスになっているのは、この桜田レオという人物が関係しているのか。ゆにが櫻井先生に似ているという発言は伏線か?前の話で父親がどうとかって美麗先生と話もしていたし。ということはハルカちゃんのお父さん?櫻井先生の様子が変なわけも美麗先生は理解しているようで、ゆにの知らない世界というのはこのことでしょうか。

 ゆにのものまねやコスプレもみどころのひとつになってきましたが、今回は映画にちなんで薬師丸ひろ子さんが主演した「セー○ー服と機○銃」の名セリフが飛び出し、これはちょっと笑えた。といっても、私は薬師丸さんバージョンの映画はリアルでは見たことないですけどね。



 [ §14. 天才少女の黒い気持ち ]

 美麗先生が櫻井先生からもらったというピアスを学校で失くして、一緒に探すゆに。その時に櫻井先生からプロポーズされていたと聞いて思わず見つけたピアスはないとウソをついてしまった。ゆにの嫉妬の炎が燃え上がってます。
 美麗先生が櫻井先生を捨てたカタチとなっているので、再会した時に櫻井先生が憎しみのような感情を抱いていたようにみえたのは、やはり美麗先生の方に原因があったのでしょうか。
 で、案の定、美麗先生はまだ櫻井先生のことを想ってるみたいで、二人が別れた理由は周囲にバレそうで、櫻井先生を守るために美麗先生がウソをついて別れたということで、これはお互い憎しみ合って別れたわけではなさそう。しかも自分の方が櫻井先生を理解していると強気で手強い相手です。

 今度のゆには一世風靡セピアのまねということで、とうとう咲クンとナミちゃんが道づれにされました。(笑) ノリノリの咲ととまどいのナミに妙に納得してしまった…



 [ §15. 天才少女の涙 ]

 美麗先生のピアスを飲み込んでしまうという動物的な行動に出たゆに。ゆにってやっぱりどこか変わり者?(笑) しかも、それを「う○こして出しましょう」なんて真剣に言う母・ララにも驚きました。少女漫画にう○こネタはいいのだろうか… しかも、そのシーンの顔が少年漫画っぽいタッチになってました。でも、ゆには美麗先生のピアスを隠してしまったことには罪悪感を感じているし、とんでもないことをしてしまったという反省の気持ちは真面目で、なんだけど、ゆにの思考回路はフツーでは理解し難いことが多くてどうしても笑いになってしまうんですよね。
 櫻井先生にあわせる顔がなくて落ち込むゆに。それを櫻井先生は気にしてくれているんだけど、ツンツンしているゆにを見るのが今では楽しみになっているんじゃないかなと思います。

 美麗先生のピアスを隠しただけで先生と別れを考えてしまう。初めての感情でどうしたらいいのかわからなくなって、出した答えがこれだったのかな。黒い気持ちで別れを考えるのなら、世の中別れなくちゃいけない人ばっかだよね。(笑)

 ゆにと咲のものまね合戦。熊川哲也に葉加瀬太郎で、咲の熊川哲也はいいとして、ゆにから葉加瀬太郎が出てくることに衝撃でした。最近は峰藤先生のポジションを咲クンが取った感じ?あまり本編には関係のないものまねの方も手が抜かれていないのがすごいなと。



 [ §16. 天才少女の笑顔 ]

 先生に別れを告げ、美麗先生にも本当のことを話したゆにでしたが、正直になることはとても正しいんだけど、本当にすべてを正直に話してしまって真面目というかなんというか。フツー、嫉妬とかで相手のものを隠すという行動は、ライバルである脇役が担っていることが多いけど、ヒロインがイジワルするというのはあまりない設定かもしれません。
 でも、美麗先生の方も櫻井先生からプロポーズされていたというウソをついて、お互いウソついてウソつかれてお相子ってことで。美麗先生も言っていたけれど、それは好きだっていう気持ちから来る感情で、それはだれにでもあることで、恋をすることで醜い自分を知る、恋愛では天才少女にも学ぶべきことがたくさんありそうですね。
 美麗先生はやはり櫻井先生に告白したみたいだけれど、ハルカちゃんの心はもうゆにしかなくて、しっかり想われてるんだなって。お互い嫌いで別れたわけじゃないのに昔の彼女が迫ってきても動揺しないハルカちゃんがかっこいいですね。そして、やっと櫻井先生が「ゆに」って呼んでくれました。(^○^) 少しずつ二人のキョリが縮まっているかな。

 ものまねの方は、なんと今度はナミちゃんの松岡修造!ナミちゃんはあまりぶっ飛んだところがないかなと思ってましたが、やはりキャラクターに一筋縄ではいかないのがこの漫画です。まぁ、ナルシストの咲と付き合ってる時点で変わり者か。

 で、最後の最後でまた新キャラ?「帰って来たよ ゆに」と言っているので、ゆにの知り合いか。また一波乱ありそうな予感がします。そして、彼は一体どんな人物または変わり者?なのか、気になるところです。


 5巻  2009年10月13日 発売

 [ §17. 天才少女の幼なじみ ]

 ゆにの幼なじみであり初恋相手の小南あずさ。モデルで、生活の拠点が海外で、このたび日本で活動。これまでの生活はゆにのために頑張って来た、小さい頃に結婚の約束をしていた、という少女漫画によくみられる幼い男女の初恋です。
 小南くん、転入してきたら英語でいきなり暴言吐いて愛想がない。だけど、ゆににはとっても懐き、そのギャップがある意味小南クンの変わった性格か。カワイイなとは思っていたゆにがつけているネコのヘアピン、今まで気にしたことはなかったけれど、それは幼いころにゆにが小南からもらったもので、こんな小さな小道具までも意味を持っていました。

 早くもゆにの気持ちを知った小南が櫻井先生にライバル意識。難しい英語でゆにに手を出すなとかいっているけれど、実は櫻井先生も子供のころLAに住んでいて英語は堪能というびっくりな事実でした。



 [ §18. 天才少女の災難 ]

 海外生活が長く日本語がうまくしゃべれない小南は、昔のクラスメイトにからかわれたトラウマから人に心を開こうとせず、ゆに以外のクラスメイトには無愛想。小南の印象の悪さからクラス中で孤立してしまうと心配するゆに。小南のファンの嫌がらせの被害からゆにを守るために小南と親しくしないようにと櫻井先生は言うけれど、ゆには小南の辛くさみしい気持ちを知ってる。でも、クラスメイトはゆににとって大事な友達。両方の立場を理解して、小南とクラスメイトの仲が良くなるように気を遣うのはゆにらしいです。
 ゆにに嫌がらせした人を探したり、自分の態度に反省して謝罪する小南でしたが、まさかあんなにあっさり聞き入れるとは思っていなかったです。彼はゆにに対しては素直なのか。

 櫻井先生の素性の方にも何かありそうで、この間学校に来た桜田レオという俳優、今度小南が映画で共演するらしいんだけど、噂によると櫻井先生は桜田レオの隠し子らしい。その話を小南に振られ不機嫌になる櫻井先生。ゆにから「いつもみんなに囲まれていた」と言われ反論するかのような態度。ハルカちゃんの不自然な態度が時折みられます。
 と思ったら、レオのことで小南に反発した櫻井先生は嵌められてしまい… これも作戦のひとつということか。もしそうだったら、櫻井先生の隠し子疑惑は本物?以前美麗先生が櫻井先生の父親がどうとかいっていたし、それに傷ついているとも言ってました。小南は櫻井家のことしっているような口ぶりだし、先生がレオのことで過剰に反応すると分かっていて仕組んだことなのかもしれません。そうでなければあんな計算したような行動はできませんからね。



 [ §19. 天才少女のジレンマ ]

 小南のゆにと櫻井先生を別れさせる作戦もどんどんエスカレートしていきます。ゆにの携帯をこっそり拝借し、先生と写った写真が自分のケータイに送られてきたとウソをつき、先生と離れさせようとする。ゆにはもちろん小南を信じてしまう。すべて小南が仕組んだことわかっているだけに、ゆにが小南の言いなりになっているのがもどかしい…
 ゆにに避けられ小南にあざ笑いされてカチンと来る先生の表情が可笑しかった。(笑) で、その後、ゆにと接触するために峰藤先生に「変態趣味を役だたせてやる。」と言ったハルカちゃんも、ついにコスプレデビュー!! 学校の制服を着て生徒になりすましてゆにと話をすることに。峰藤先生なんでも持ってますね。制服姿の櫻井先生もイケてました。ハルカちゃんはハンサムなので何着ても似合いそうです。
 先生にすべてのことを話しても先生はすべて小南がやったことだと気付いている。でも、ゆには小さい頃優しかった小南を知っていて信じているだけに、小南が悪いことするはずがないと先生の言葉を否定しまい、先生も言っていたけれど、小南の望み通りになってしまうのが歯痒くて見ていられません。
 それでもゆには大好きな先生のいうことも否定できず、小南が正直に白状。やっとこれですっきりしたかと思えば、小南が送ってくれた手紙を読み自分を想ってくれていることにやはり小南が大切だと感じ、もうゆにを困らせないと言ったけれど最後に小南がゆににキスしてそれを先生が見してしまうという、また小南が問題を作ってしまいハラハラします。

 セリフで小南のことをコナン君とカタカナで書くし、コナン君というとどうしても私の中では違うコナンがイメージされてしまう… そしたら案の定、セリフで「名○偵コナン」と出てくるので、作者と同じ発想でよかったと安心しました。(笑) でも、講談社なのに他社の作品名を挙げて良いのだろうかとちょっと心配に。せめて金○一にしとけば…(そういう問題ではない。)



 [ §20. 天才少女の悲しい記念日 ]

 小南のことは清算できていたつもりでも、小南自身がゆにを勝手に好きでいることはやめないし、学校で隙あらばゆにに近づいてきて、今度は櫻井先生の方がゆにを遠ざけて小南とくっつけようとしてる?ゆにがやっと先生だけと気付いたのに、二人の想いがまたしてもすれ違い。付き合って1周年記念日にハルカちゃんがとうとうゆにに別れを告げてしまい、本当は気持ちが通じ合っているはずなのに、ハルカちゃんがその気持ちをあえて拒絶している感じがします。

 小南は仕事の合間を縫って学校に来てゆにに会いに来てくれる。それだけ小南にとってゆには大切な存在。今は一方的にゆにのことを想ってるだけで二人の仲が悪くなるように画策しているわけじゃないのに小南の存在がどうしても悪者になってしまいます。でも、初恋の人を一途に思い続けることができたらどんなにステキだろうかって思います。それを相手を不幸にするやり方はよくないけどね。


 6巻  2010年2月12日 発売

 [ §21. 天才少女の失恋 ]

 先生にフラれて様子が明らかにおかしいゆに。天才少女でも失恋後の様子は同じなんだね。クールで表情をめったに変えることのないゆにが笑ってあきらかにねじが壊れてしまったような様子。新・枢木ゆにっていう紹介もおかしいでしょ。(笑) でもそれは、何かしていないと先生のことを考えてしまうということで、それが明らかに無理しているのがわかるだけに見ていてつらいです。つらいというのはもちろん失恋したゆにの気持ちを思うことと、ああいうゆにらしくない行動です。
 それでもやはり先生と会えば気持ちの整理がついていないことがよくわかるし、先生の方も実はゆにのことまだ想ってるのもわかる。ゆにに冷たく引き離しても、具合の悪いゆにを気にしたり、ゆにを倉庫に閉じ込めた男子生徒に対して本気の怒りをあらわにして。怒ったハルカちゃんコワイ…
ゆにのこと見つけ出したらとりあえず安心だけして、それ以上は近づかない。そしたらゆにのこと抱きしめたくなって気持ちが揺らぐから。本当はまだ好きなくせに、心を気持ちに従おうとしてるんだよね。今は先生が一方的にゆにの気持ちを拒絶しているだけのような気がします。そんな頑固にならなくたってお互い好いているのだから正直になればいいじゃんって思うんだけど…

 小南は少しずつクラスメイトと打ち解けてきて良い感じになってきました。これもゆにのおかげだね。だからこそ小南にはゆにのこと応援してほしいなって思うんだけど、最後に小南がいい人キャラになってなんとかする……じゃあまりにも陳腐すぎるか。



 [ §22. 天才少女の願い ]

 うーん。やっぱりというか、先生は自分で拒絶していたんですよね。ゆにを失うのが怖くて。だからあんなに頑なになってた。だけど峰藤先生から櫻井先生がゆにといて変わったことを知り、ゆにに本当のこと(球技大会に助けたこと、先生の気持ち)を話して、ゆには先生にまた振り向いてもらえるよう頑張る。頑張るのはいいんだけど、先生に告白しますとか迷惑かけないのでよろしくお願いしますとか、いちいち報告するところが可笑しくて笑ってしまいます。でもそれがゆにらしい。櫻井先生がゆにのこと避けるくらいにストーカーのごとく追っかけまわして、その告白の仕方に面白いなと思うことがあってもゆにはすごく真剣。ゆにの精一杯の気持ちが伝わります。ゆにの真剣な想いにハルカちゃんがやっと観念。しかもナミちゃんのいる前で真相が明らかに。ナミちゃんがやっと先生とゆにの関係を知ることになって、少し物語が進んだかなと。

 小南がやっと櫻井先生のことを認めて最後はやっぱりゆにを応援してくれました。ゆにを笑わすことができるのは自分じゃない、櫻井先生だと。ネコのパレッタを貰ったゆにの笑顔がかわいくて好きになった小南。好きな人には笑っていてほしいですよね。小南のこと最初は悪者目線でみていたけれど、最後にゆににパレッタの話をした時のシーンが感動で、結局コナンを見直してしまうという単純な読者です。(笑)



 [ §23. 天才少女の新年 ]

 櫻井先生と初詣に出かけるゆに。その名もHLD作戦(初詣ラブラブデート作戦)。ダディに術をかけて騙してこっそり先生とデートに行くゆにだったけど、4時間もつはずの術があっという間に解けてしまうという。術をかけたのはるーちゃんでしたが、たしかにるーちゃんには不思議な力があるといってもるーちゃんの力って相手のことがわかるという力だと思うのですが、これで人に術をかけることができるなんてオドロキでしたが、もしこれが成功していたらるーちゃんって家族の中でいちばん超越してるよね。

 作戦が失敗してダディに先生と会っていることを話してしまったゆにでしたが、ちょうどいいタイミングで先生が現れて、自分がゆにと一緒に過ごしたかったと言ってくれてカッコイイ。それでも騙されまいとするダディが面白い。しかも、ダディ以外はゆにの味方で、17歳でララをはらませたというダディのある意味弱味を握ったような母親もまた面白く、枢木家の楽しい姿が垣間見れたお話でした。

 ゆにと櫻井先生は少しずつ近づいていても、先生はまだまだ隠していることがありそうで、距離もまだ感じられますが、ハルカちゃんがいよいよ家族について話す時が来るのか。やはり桜田レオという俳優は父親だそう。次は櫻井家編となるでしょうか。



 [ §24. 天才少女の親友 ]

 家族編の次は友情編。ゆにの親友・ナミちゃんのお話です。中学生の時、暴君菊子という異名を持ち怖れられていた伝説のヤンキー・ナミちゃん。恐怖の目で見る周囲の中でゆにだけは他の友だちと接するように話しかけてくれた。次第にゆにの不思議の魅力にハマり、二人の仲良しぶりはいまに至る。あっち側の人間が再びナミちゃんに接触しようとして大事な仲間を傷つけられることを恐れ、ゆにのことを避けていたのですが、ゆには先生のこと黙っていことだと誤解するし、なかなか口を効いてくれないのでショックで落ち込んでしまう。
 相変わらずゆにの行動はぶっ飛んでいて、不良相手にナミちゃんのマネをしたり、メンチ切るといってメンチカツを切るというフツーに考えれば冗談の行動がゆにはわからないところが面白いですね。ゆにが襲われそうになったところを本物のの暴君菊子が現れ、最後はやはり友情が勝ち、ゆにとナミの絆がより一層深まりました。出番がなかった彼氏陣(櫻井先生&咲クン)が情けなくてカッコ悪い…(笑)

 ナミちゃんの本名は名波菊子といいます。ナミちゃんと呼んでいるくらいなのでてっきり下の名前を指しているのかと思ったらそうではなくて、苗字のナナミから取ったものだったんですね。意外な事実でした。


 7巻  2010年7月13日 発売

 [ §25. 天才少女の触れる世界 ]

 ゆにが先生を誘惑作戦!のはずが、ゆにですのでうまくいくはずがなく、炭酸を自分に吹きかけて胸チラ作戦のつもりが振った炭酸が先生にかかってしまったのが大爆笑でした。他の作戦もことごとく失敗して、相変わらずです。
 ナミちゃんから女は待ってるだけじゃだめとか言われてお色気作戦開始したけれど、先生が今までゆににキス以外してこなかったのはガマンしているから。ゆににあんな露骨にされたらドン引きもするけど無理やりにでも犯したくなる。正直、ゆに相手では先生もいろいろ苦労するんじゃないかと…
 それにしても、ゆにのコスプレに無反応のハルカちゃん。もう免疫はできているか。 ゆにの方も峰藤先生の扱いには慣れた感じですね。逆に自分から利用するくらいにまでなって見事に峰藤先生を自分の写真で釣ってしまってます。今回ハルカちゃんの部屋にCAのコスプレでやってきましたが、唯一ゆにのCAコスプレは見たいと言ってましたので良かったのでは?(笑)

 ここから櫻井家編になるわけですが、まだ入り口ですね。先生が自分は桜田レオの隠し子であることをゆにに話したくらい。桜田レオはハルカを身ごもった母親を捨てて女優と結婚した。ハルカが7歳の時に母親は死んでしまって、その後レオが引き取りに来たけれど…というところまで。これまでの話だと父親とうまくいってないみたいなことが言われてましたので、父親との間に確執みたいなものがあるでしょうか。

 桜田レオがハルカに会いたがっていることを教えてくれたのは小南。あれだけ二人のこと別れさせたがっていましたが、だんだんゆにのこと未練がなくなってきたのか、すっかり先生にも心を許してカワイイやつになりました。ネコのパレッタを先生に渡してしまうくらいなので小南はもう大丈夫でしょう。



 [ §26. 天才少女の怒り ]

 世の中どんなつながりがあるかわかりませんね。実は、桜田レオとゆにの父で小説家の虎は10年来の友人。仕事の話でたまたまゆにの家にやってきて妙な出会いとなりました。最初は友人の娘くらいの関係でしたが、ハルカの母親にあげた指輪をゆにが持っている、つまりハルカのガールフレンドだと気付き、ゆにに接近。人生何が起こるかわからなーい。

 桜田レオと会うことを拒絶するハルカ。母親が亡くなって引き取ってくれたレオはただ自分のイメージアップのために利用したまでにすぎなかった。それを知って自分の存在を週刊誌に売ろうとしたが、逆に美麗先生との仲を漏らされた。昔父親から言われた「おまえの存在を世間に知らせるようなことをしたらおまえの幸せを一生かけて潰してやる。」という言葉が残っており、それはゆにを失うことを恐れている。美麗先生と別れた原因はそこだったのか。自分の存在を世間に売ろうとしたのが美麗先生と付き合っていたころ。ハルカはすでに一度幸せを潰されているってことですか。だから、繰り返しにならないようにと。しかもその情報を教えてくれたのは美麗先生。久々登場です。美麗先生もすっかりゆにの応援側です。
 でもね、傷ついたことはそう簡単に癒えるものではないというのはよくわかりますが、前にどんなことがあってもゆにとなら乗り越えていける、信じていると誓い合ったばかりなのに… ハルカちゃん臆病になってますね。でも、ゆにの自分を想う気持ちを知って何があっても守ると誓ったハルカちゃんがステキでした。



 [ §27. 天才少女の奮闘 ]

 櫻井先生のことを大事に思っていないレオに怒ったゆにでしたが、結局レオのペースにはまってしまい、テレビ局へついていったら衣装着させられてへんな番組に出てしまって、やっぱりどっかでゆにの行動が思わぬ方向へ行って笑いになります。
 でもやはり今回の内容はシリアス。ハルカのこと不幸にしておいて怖いイメージなので、ゆにに近づいて危ない感じで、何を考えているのかわかりません。そしたら「ハルカと仲直りしたい。」と言いだし、やはりどうも裏があるのではないかと勘ぐってしまうのですが、レオの入院申込書を見て彼が病気を患っているのではないかとわかり、つまり今までしてきたことを先生に謝罪したいのか。ゆにに近づいたのはまずは彼女のゆにから手懐けるということでしょうか。

 桜田レオとハルカがやっと顔を合わせることになりましたが、ハルカはやはりレオのことは拒絶し嫌悪感を抱いている。父親だと思ったことはないと。レオとハルカが和解するのが櫻井家編のゴールかな。

 ハルカちゃん、とうとうゆにから「ハレンチ教師」と呼ばれてしまった… あぁ・・・



 [ §28. 天才少女のまごころ ]

 レオがウソをついているとは思えないゆには櫻井先生にレオと仲直りするように言いますが、ハルカは子供のころにされたレオからの酷い仕打ちにやはり許すことができません。自分と似るからといってハルカの髪を切ってしまうのは衝撃でした… ハルカが髪を伸ばしているのはその時を思い出すからでそれがハルカなりの反抗。
 でも、昔「34の涙」というレオが教師を演じていた映画のビデオを大切に持っているハルカ。それを知ったゆには本当は先生がレオのこと好きだと気付く。たしかに嫌いという感情があっても、少ない身内、心のほんの片隅にで家族だと思う気持ちがあってもおかしくないですよね。

 レオは病気だと分かりだれよりもまずハルカの顔が浮かんだ。レオをやっぱり信じるゆにはまごころを持ってハルカに接する。ハルカも最後に鏡の前に立ち髪の毛を切る。ここまできて桜田レオがまたハルカにヒドイことをするとは考えにくいか…


 8巻  2010年10月13日 発売

 [ §29. 天才少女の恋人 ]

 櫻井親子の絆編もいよいよ大詰め。ハルカちゃんがとうとうレオさんと向かい合う時が来ました。いよいよ感動の和解となるか、なんて期待してたら、約束の時間になってもレオさんが現れなくて、一人待っていたハルカちゃんの姿を見て、「え?ひょっとして騙された?」と思いましたが、病院から電話があって、レオが倒れたのではないかとすぐにわかりましたので、そこからきっと本当の親子対面になるだろうなと思ったのでホッとしました。

 やはり二人の和解はレオが入院している病室でした。「死ぬ前に一度こうしたかった。」と、ハルカを抱きしめてあげたレオ。そこからあんまりたいした動きはなく終わってしまい、もう少し何か感動できるものがあってもよかったかもしれません。
 二人で向き合いレオの愛情に触れたハルカがゆにに「オレを好きになってくれてありがとう。」と感謝する場面は、レオとのシーン以上に感動で二人の笑顔は最高。今まで父親に対して心を閉ざしていたハルカは、ゆにの支えによって変わることができたんですよね。二人の絆がまた深まったことでしょう。子供に対して触れたりギュッとしてあげる行為ってすごく大事。ハルカちゃんがレオさんの愛情に触れることができて本当によかったです。

 ここまで物語を騒がしてきたレオさんでしが、実は重たい病気ではなくストレス性胃潰瘍だったという、今までのゆにの頑張りはなんだったのかと思うところですが、それでも先生との絆が深まったことに変わりはなく、レオとダディの冗談的なやりとりの横で幸せそうにしているゆにとハルカちゃんの姿に幸せな気持ちになります。

 今回はコスプレというか、病院入るためにナース&ドクターに変装で、ハルカちゃん、またゆにのコスプレに巻き込まれました… でも、白衣姿がめちゃくちゃカッコイイです!ハルカちゃんはハンサムなので何着ても似合いそうです。♪



 [ §30. 天才少女の新生活 ]

 ゆにが高校3年生になりました。ナミちゃん、咲クン、小南くんも同じクラスですが、担任がなんと櫻井先生から峰藤先生に。多くの先生生徒モノって初登場時はクラスが違って、進級すると担任になるパターンですが、こちらは逆です。担任になれば都合よく展開できるのに対し、別々のクラスになったゆにと櫻井先生にはどんな物語が待ち受けているのでしょうか。

 新章ということで、新メンバーも登場。まずは、新しくゆにたちと同じクラスになった男子生徒・的場竜。彼はクラスメイトから怖がられる存在で問題児扱い。ゆにを睨みつける怖い表情に、この作品の世界観にはある意味新鮮で異色っぽいキャラだなと思いましたが、そういえばこの漫画に出てくるキャラって風変わりが多いことを思い出し、案の定、怖いとみせかけて、親切な人にはとても優しく尊敬の眼差しを向けるウワサとはギャップのある人物でした。

 もうひとりの新キャラは、櫻井先生の受け持ちクラスの生徒になった花音という女子生徒。まだあまり出てきてはいませんが、なんとなく彼女が今後の展開を賑わせてくれそうな予感がすごくします。

 ハルカちゃんは新しいクラスでもモテモテのハーレム状態で、ゆにがヤキモチちいちゃってるのがカワイイ。それをわかって意地悪するハルカちゃんも見ていて楽しいです。女子生徒に囲まれて嫉妬したゆにが自分も浮気のひとつやふたつできると見栄を張って、先生にヤキモチを焼いてもらおうとしますが、作戦は失敗続き。だぶんハルカちゃんはすべて見透かしてますね、きっと。好きにすればいいと言った櫻井先生でしたが、やはりゆにと他の男子生徒が一緒にいるとイヤみたいで、ハルカちゃんもしっかりヤキモチをやいてくれるのがうれしい。この二人、お互いに相手が自分のこと本当に好きだよなとか言い合いながら、自分も相手のしっかり好きなところが行動に出てるのがおもしろいですね。



 [ §31. 天才少女の新担任の恋 ]

 今度の物語の主役は峰藤先生と小南あずさ!いやぁ〜、この二人にまさか恋が芽生えるなんてびっくりな展開だわ。オタク全開(美少女フィギュア集め)の峰藤先生と、意外とそんなオタクに理解ある小南とで意気投合。いつもはゆにを振り回している先生が、小南に釣られているのがおもしろい。

 峰藤先生は見た目が派手で遊んでるタイプに思われがちの女性ですが、実は奥手で派手な恰好も好きではなく、小南は峰藤先生の本当の素顔や性格なんかをしっかり理解していました。そんな先生に好意を抱いてアプローチしますが、峰藤先生はからかわれているのではないかと思ってしまうのも無理はないです。相手は生徒ですし、子供のよくある一過性みたいなものではないかと。でも、ゆにに励まされて、小南と話をした時に嬉しかった気持ちを知り、今はダメでも卒業まで待てばいいと気付き、もう少ししたら峰藤&小南カップルが成立しているかも。

 ゆにと峰藤先生はすっかり仲良しに。たまにゆににコスプレ要求するようなことがあるけれど、友人のハルカがゆにと付き合っていることもあり、二人の恋を見守っている立場でもあり、なかなかいい関係になっていますね。



 [ §32. 天才少女の変化 ]

 ゆにたちもいよいよ進路を考える時。小南も咲もナミちゃんも的場くんもみんな将来の夢をしっかり持っていました。ゆにも一流大学に行くという夢はあるみたいですが、なんだか漠然としている様子。そんなゆにが将来への道を模索していきます。
 多くの場合、付き合っている先生がいると生徒はすぐに結婚とか甘ったれた結論を出そうとしますが、ゆには、先生との将来を考えるということではなく、すでに持っている自分の進路が正しいかどうか考える…という、本来受験生が悩むことを描いたところがよかったです。

 問題児でちょっと怖い風貌を持ち合わせている(失礼!)的場からは考えられない、パティシエの夢。甘いものが大好きで、いつしか作ることが夢になっていた彼は、教材買うためにバイトして資金貯めて、ゆにとの出会いのきっかけとなったノートも実はパティシエになるための大事なもので、実はすごくしっかりしたところをもっているという的場象ができあがりました。フランスに行ってパティシエになるとゆにに語ったシーンは感動でした。その前に犬とケンカしたというエピソードは唖然としましたが、もっと深いところから感じられる的場クンの人間性というのが少し見えてきています。


 9巻  2011年2月10日 発売

 [ §33. 天才少女の勉強合宿 ]

 勉強合宿にやってきたゆにたちですが、メインは勉強よりも海!(笑) だけどゆにの心は広い海のようにはいかないようです。
 海でひときわ目立つ花音。男子生徒から人気で、一方のゆには花音と比べて自分が子供っぽいとしょんぼりしているところへ、さらなる追い打ちをかける、ハルカちゃんと花音の関係。以前花音が先生の部屋へやってきたところから二人には何かあるのは見えてますが、合宿中も自分との予定をキャンセルされ花音と会っているところをゆにが目撃し、やはり今後のキーパソンは花音か。

 だけど、実際にはゆにのことをちゃんと想ってるハルカちゃん。女子生徒から一緒に海に入ろうと誘われても肌を出すことを断固として嫌っていたのに、ゆにがひとりでも帰ってこれそうな距離でも沖の方まで流されしまった時には自然と彼女を助けるために泳ぎに行きました。ハルカちゃんにしてみたらとくに意識していない行動だったかもしれないけれど、読者やハルカの気持ちがわかっていそうな花音からしてみればやはり気付く点だったと思います。

 そんな中で、ひとりKY的な雰囲気を出している峰藤先生。(笑) ゆにに浮輪とスクール水着の着用を要求してきました。もちろん気分が沈んでいるゆにが乗ってくれるわけもなく。でも、ゆにが沖に流された時に乗っていた浮き輪を渡たすなどの実はちゃんと役割を果たしているところに意味があるのかな。



 [ §34. 天才少女の後悔 ]

 先生のことが信じられなくて、合宿中の夜中に的場と脱走したゆに。しかも、戻ってきたら傷を負っていたなんてシャレにならんよね。ハルカちゃんが的場に怒るのも無理ないです。自分の彼女がかっさられて、不良に絡まれて守れなかったわけですから。
 ゆにが戻ってくるのを信じて、騒ぎを大きくしたくないからと黙っているハルカちゃんのゆにに対する想いや行動が本当によく現れていてキュンとなります。

 櫻井先生とゆにとの関係に気付き始めたのか、花音がとうとう本格的に動き出して怖くなってきましたねー。化けの皮が剥がれて、性悪の本性もついに出ましたし。的場を巻き込んで二人を別れさせようとする作戦でしょうか。最初は相手にしていなかった的場も、花音のひとことで協力者になってしまうのか。的場クンにはゆにを信じていてほしいのだけどな…花音がこれからどれだけ暴れるか見ものです。



 [ §35. 天才少女の不信感 ]

 自分が先生の部屋に泊まったとか、先生が好意を抱いているとか、花音の猿芝居や戦略にまんまとはまっていくゆににもどかしくなりました。友達になっていきなり好きな人のこと打ち明けるなんて早すぎる展開で、でもゆには素直だから花音の言うことを信じてる。
 ハルカちゃんはゆにが疑うことは一切ないと言ってくれるものの、それを裏切るかのように花音のウソによって、先生への想いが信じられなくなる。
 普通だったらゆにを騙す花音に腹がたつところんだろうけど、それ以上にだまされていくゆにに歯痒い思いをしながら読んでいます。

 的場くんはゆにに好意を抱いているようにもみえるんですが、今後あまりゆにとの関係に進展がないような気がする。わかんないですけど、なんとなくね。



 [ §36. 天才少女の青天の霹靂 ]

 花音はとうとうゆにの家まで押し掛けてきましたよ。しかも、ゆにのことが心配だからって言ってたけど、それは全くのウソで、先生と付き合っている証拠はないか物色しにきたのでした。花音の白々しい態度に腹が立ち、ダディは純粋にゆにの友達だと思ってテンションがハイになっているのが見ていてイライラしますが、そんなイライラした気持ちを読者に変わって代弁してくれる弟のるーちゃんが言い役割です。るーちゃんは人の心が読めるという不思議な力があるので、今回も花音の思惑をすべて見透かしているようで、さすがの行動です。

 しかし気になるのが、花音を「孤独な悪魔」と例えていたところでしょうか。悪魔というのはわかるんですが、その前に孤独と言っているのが、何か彼女にはまだ暴かれていない部分があるのかなと思います。その伏線と思われる、ゆにが家族について訪ねた時の反応や、櫻井先生が家の話をしたときの態度など、家族に関する問題が潜んでいるのかもしれませんね。

 でも、悪魔の要素の方も発揮していて、ゆにがアメリカの大学を目指しているのではないかという情報を櫻井先生に流してしまい、二人の間がまたあやしくなると思ったら、最後にハルカちゃんがゆにに別れを告げました。(涙) 好きな人が出来たから別れてほしいというのはもちろんウソで、それが読者にも最初からわかるように説明されていますので、その間の二人がどうやってこの先を進んでいくかだと思います。
 やっぱり先生生徒ものでは、ラスト直前には再び破局という流れが待っていますが、この作品も例外ではなく、二人の絆が再び試されようとしています。ゆにがハルカちゃんから離れて、自分でどう立っていくか楽しみです。